最近、仕事でインド人メンバーと英語で話す機会がかなり増えました。
オンライン会議だけでなく、ちょっとした確認や進捗状況の共有など、英語で直接コミュニケーションを取る場面があります。
そこであらためて感じていることがあります。
インド英語、なかなか聞き取れない・・・
英語学習を長く続けてきて、TOEICのリスニング問題ならそれなりに聞き取れる。
アメリカ英語やイギリス英語にも以前より慣れた。
それなのに、インド人とのオンライン会議になると、
「今なんて言った?」
「知っている単語のはずなのに聞こえない・・・」
となることがあります。
特に会議で相手が早口になり、技術用語や固有名詞まで混ざってくると難易度が一気に上がります。
最初の頃は、
自分の英語リスニング力が足りないのかな
と思いました。
でも、インド英語の発音やリズムについて調べたり、実際に何度もインド人メンバーと話したりしているうちに考えが変わってきました。
インド英語には、アメリカ英語やイギリス英語とは違う一定の発音・リズムの特徴があります。
そこを知らずに「普通の英語と同じように全部聞き取ろう」とすると、かなり疲れます。
逆に、
「この音はこう聞こえやすい」
「このリズムだから聞きづらいんだ」
と特徴を知っておくだけで、ずいぶん楽になります。
この記事では、仕事でインド人と英語コミュニケーションを取っている経験も踏まえながら、
インド英語アクセントの特徴と聞き取り対策
をまとめました。
インド英語が聞き取れず困っている人に、少しでも参考になればうれしいです。

- インド英語が聞き取りづらく感じる理由
- インド英語アクセントによく見られる特徴
- T・D、V・W、THなどの音の違い
- インド英語特有のリズム
- 仕事の会議で聞き取るための具体的な方法
- 聞き取れなかったときに使える英語フレーズ
- インド英語に慣れるための練習方法
- インド英語が聞き取りづらいのは英語力不足だけが原因ではない
最初に知っておきたいことがあります。
インド英語が聞き取れない=英語力が低い
とは限りません。
ここはかなり重要だと思います。
私自身、普段聞き慣れている英語なら理解できても、インド人の英語になると急に聞き取り率が落ちることがあります。
逆も同じですよね。
日本人が話す英語も、日本語を母語としない人からすれば独特のアクセントがあります。
たとえば、
RとL
TH
FとH
子音で終わる単語
英語の強弱
などは、日本人が苦手になりやすいポイントです。
インド人にも、母語の影響を受けやすい音があります。
しかもインドは非常に大きな国です。
ヒンディー語、ベンガル語、テルグ語、マラーティー語、タミル語など多数の言語が使われています。
そのため、一口に「インド英語」と言っても全員が同じ発音をするわけではありません。
Cambridge University PressのIndian Englishに関する解説でも、インド英語には地域差がある一方、広く見られる音声的特徴があるとされています。
なので、
「インド人はこう発音する」と決めつけるのではなく、「こういう傾向があるので知っておく」
ぐらいの捉え方がちょうどいいと思います。
インド英語アクセントの7つの特徴
仕事で聞くインド英語に慣れるために、まず代表的な特徴を整理してみます。
全部を暗記する必要はありません。
「あ、この音かも」
と気づけるだけでも聞き取りやすさは変わります。
① T・Dの音が日本人の耳には強く聞こえる
舌を少し後ろに反らせる音になることがある
インド英語の代表的な特徴としてよく挙げられるのが、TとDの発音です。
標準的な英米英語では、TやDは舌先を上の歯茎付近につけて発音します。
一方、インド英語では舌先を少し後ろに反らせる「反り舌音」に近いT・Dになることがあります。
CambridgeのIndian Englishに関する解説でも、/t/ と /d/ がこのようなretroflex(反り舌)の音として発音されることがあると説明されています。
日本人の耳には、
Tが「トゥッ」と強く聞こえる
ことがあります。
たとえば、
today
data
details
target
status
update
こういった単語は仕事でもよく出ますよね。
会議の内容を文字で読めば簡単なのに、音で聞くと、
「知っている単語なのに一瞬分からない」
となることがあります。
単語ではなく文章で慣れる
ここでおすすめなのが、単語だけで発音を覚えようとしないことです。
たとえば、
Could you give us an update on the current status?
のように、自分の仕事で頻繁に使う文章ごとインド人の発音で聞いておきます。
そうすると実際の会議でも、
「この音=statusだな」
と頭の中で変換しやすくなります。
② VとWの違いが小さく聞こえることがある
これもインド英語でよく紹介される特徴です。
話者によっては、英語のVとWがかなり近い音になることがあります。
Cambridgeの解説でも、一部のインド英語話者では /v/ と /w/ が近い音として実現されることがあると説明されています。
たとえば、
very
verify
version
value
work
week
window
などです。
仕事ではこのあたりの単語、かなり使いますよね。
特に、
We will verify it.
のような文章は、VとWが近くなると日本人には一瞬分かりにくくなることがあります。
「正しい発音」に戻そうとしすぎない
リスニングするときに、
「Vだからこの音のはず」
と決めつけてしまうと苦しくなります。
大事なのは、
多少違う音でも単語候補として残しておくこと
です。
たとえば会議で、
「ウェリファイ」
のように聞こえたら、
very?
ではなく文脈から、
verifyかもしれない。
と候補を広げます。
リスニングは「耳だけの作業」ではないですよね。
文脈、状況、資料、相手の役割。
全部を使って意味を推測します。
③ THがTやDのように聞こえることがある
英語学習では、
thinkのTHは /θ/
thisのTHは /ð/
と習います。
舌先を上下の歯の間に軽く出して発音する音ですね。
ところがインド英語では、話者によってTHがTやDに近い音になることがあります。
たとえば、
think
three
thirty
this
that
they
などです。
研究文献でも、Indian EnglishではTHの音が歯を使った破裂音に近く実現されることがあると報告されています。
たとえば、
I think that...
が、自分が普段聞き慣れている音とは少し違って聞こえることがあります。
とはいえ、これは比較的慣れやすいです。
think、this、that、theyなどは文章の中に頻繁に出てくるからです。
何度も聞いているうちに、
「この人のTHはこう聞こえるんだな」
と自然に補正できるようになります。
④ Rの響きが強く感じられることがある
インド人の英語を聞いていて、
Rの音が印象に残る
と感じたことはありませんか。
インド英語では、話者や地域によってRをはっきり発音したり、軽く弾くようなRになったりします。
アメリカ英語のRとも少し違うため、初めて聞くと独特に感じます。
たとえば、
correct
requirement
priority
problem
process
current
などです。
このあたりも仕事では頻出単語です。
ただ、Rそのものを分析しながら会議を聞く必要はありません。
何度か同じ話者と話していると、
その人の発音パターンそのものに耳が慣れてくる
からです。
これは非常に大きいです。
最初は聞き取りづらかった相手でも、数週間話していると不思議と聞こえるようになります。
英語力そのものが数週間で急激に上がったわけではありません。
脳が、
「この人はこの単語をこう発音する」
と学習したのだと思います。
⑤ 音節一つひとつが比較的はっきり聞こえる
インド英語を聞き取るうえで、個人的にはここがかなり重要だと思っています。
英米英語では、
強く読む部分と弱く読む部分の差
がかなりあります。
たとえば、
I want to talk about the issue.
という文章なら、意味を持つ重要な単語が強く発音され、toやaboutなどの一部は弱く短くなります。
英語は一般的に「stress-timed rhythm」と説明されます。
一方、インド英語では一つひとつの音節の長さや強さの差が英米英語より小さい傾向があります。
Cambridgeの研究でも、インド英語のリズムは標準的な英国英語と異なり、音節の強弱差が比較的小さい傾向が指摘されています。
これはよく**syllable-timed rhythm(音節拍リズム)**と表現されます。
「全部強く聞こえる」が難しさにつながる
インド英語に慣れていないと、
どの単語が重要なのか分からない
と感じることがあります。
私も仕事の会議でこれを感じることがあります。
英語は聞こえている。
でも、
「結局何が重要なんだ?」
となってしまう。
これは単語の問題だけではなく、リズムの違いも関係しています。
そこで、最近は全部の単語を追いかけないようにしています。
聞き取る対象を、
What happened?
What is the impact?
What is the next action?
の3つに絞ります。
会議で100語話されたとしても、100語全部を書き取る必要はありません。
重要なのは、
何が起きて、何に影響して、次に誰が何をするのか
ですよね。
これだけ拾えれば、仕事としてはかなり対応できます。
⑥ 単語のアクセント位置が想定と違う場合がある
英単語には強く読む場所があります。
たとえば、
development
communication
environment
などですね。
自分が覚えているアクセント位置と相手のアクセント位置が違うと、知っている単語なのに突然聞き取れなくなることがあります。
Indian Englishでは、語の強勢やイントネーションにもインド諸語の影響が見られることが研究されています。
これはインド英語に限った話でもありません。
フランス人、中国人、日本人など、英語を第二言語として話す人にはそれぞれ母語の影響があります。
大事なのは、
「自分が覚えた発音と違う=別の単語」と判断しない
ことです。
前後の文脈から候補を探します。
たとえば会議の議題がテストなら、
regression
scenario
environment
configuration
deployment
など、出てくる単語はある程度予想できます。
この「予想」がリスニングではものすごく役に立ちます。
⑦ とにかく話すスピードが速く感じることがある
「インド人の英語、速すぎる」
そう感じる人も多いと思います。
実際には全員が速いわけではありません。
ただ、
独特の発音
リズムの違い
知らない専門用語
オンライン会議の音質
複数人が続けて話す
これらが重なることで、体感速度がかなり上がります。
知らない道を車で走るとスピードを速く感じるのと少し似ています。
道を知っていれば同じ60km/hでも余裕があります。
英語も、
「この人はこういう発音をする」
「この会議ではこの単語が出る」
「話の展開はだいたいこうなる」
と分かっているほど余裕ができます。
つまり対策すべきなのは、
純粋なリスニング力だけではない
ということです。
インド英語を聞き取る7つの対策
ここからは、実際に仕事で使える対策をまとめます。
① 全単語を聞き取ろうとしない
一番おすすめしたいのがこれです。
インド英語に限らず、英語会議では全部の単語を聞き取ろうとしない。
これはかなり大事です。
以前の私は、
「今の前置詞が聞こえなかった」
「一語分からなかった」
と気にしているうちに、その後の10秒ぐらいまで聞き逃すことがありました。
これはもったいないです。
仕事の会話なら、とりあえず、
Issue
Impact
Action
Owner
Deadline
この5つぐらいを拾います。
たとえば、
「何か問題が発生したらしい」
まで聞こえたら、次に集中するのは、
So what?
です。
何に影響するのか。
そして、
What next?
誰が何をするのか。
細かい英文を100%再現できなくても、仕事の理解度は十分高くできます。
② 会議前に「出てきそうな単語」を頭に入れる
リスニング力を上げる一番簡単な方法。
それは、
内容を先に知っておくこと
です。
ちょっと反則のようですが、仕事なら反則でも何でもありません。
むしろ準備です。
会議のアジェンダが、
System testing
なら、
test
defect
failure
scenario
environment
retest
regression
fix
release
などが出てくる可能性があります。
Migrationなら、
migration
data
batch
processing
schedule
cutover
validation
completion
などでしょう。
単語を目で見ておくだけでも違います。
人間の脳は、知らない音より予想している音を圧倒的に拾いやすいです。
私は会議資料がある場合、英語そのものを細かく勉強するより、
「今日は何の話をするのか」
を先に理解するようにしています。
③ 同じインド人の英語を繰り返し聞く
インド英語一般を勉強するより、
実際に仕事で話す人の英語に慣れる
ほうが即効性があります。
Aさんの英語が聞き取りづらいなら、Aさんの録音を聞く。
Bさんと毎週会議するなら、Bさんの発音のクセに慣れる。
かなり実践的です。
オンライン会議を録画・録音できる環境なら、社内ルールや情報管理ルールの範囲で聞き直します。
最初は聞き取れなかった部分でも、
議事録を読んでから聞き直すと、
「ああ、これを言ってたのか!」
と分かることがあります。
この経験が重要です。
聞こえなかった音と正しい単語が脳の中でつながるからです。
以前、英語リスニングの勉強でディクテーションをかなりやりました。
ディクテーションのメリットも同じです。
「自分が聞こえると思っている音」と「実際の音」のズレを見つけることができます。
④ インド人講師のオンライン英会話を利用する
インド英語に慣れたいなら、インド人と話す。
当たり前ですが、これが一番確実です。
オンライン英会話にはインド人講師が在籍しているサービスがあります。
講師検索で国籍をIndiaに指定できるサービスなら便利です。
ここでポイントなのが、
きれいな英語を話す講師ばかり選ばないこと
です。
「インド英語の聞き取り練習」が目的なら、自分が少し聞き取りづらいと感じる講師のレッスンも受けます。
仕事で実際に困るのは、
「英語教師の英語」
ではありません。
技術担当者、開発担当者、営業担当者など、いろいろな人が話すリアルな英語です。
最初の10分は、
「聞きづらいな・・・」
と思っても、25分のレッスン後半には少し慣れます。
これを繰り返すだけでも耳は変わります。
⑤ 聞き取れなければ堂々と聞き返す
これも仕事でかなり重要です。
英語ができる人ほど全部聞き取れている。
そんなことはありません。
普通に聞き返します。
音質が悪い。
マイクが遠い。
周りがうるさい。
通信が一瞬途切れた。
専門用語を知らない。
理由はいくらでもあります。
分からないのに、
Yes, yes.
と進めてしまうほうが危険です。
シンプルに聞き返す
まずは、
Sorry, could you say that again?
これで十分です。
もう少しゆっくり話してほしいなら、
Could you say that again a little more slowly?
でもいいですね。
私は仕事では、
Sorry, I didn't catch the last part.
も使いやすいと思います。
「最後の部分を聞き取れませんでした」
という意味です。
全部をもう一度話してもらわなくて済みます。
理解した内容を確認する
さらに使いやすいのが、
So, you mean ... ?
です。
聞き取れた部分を自分の言葉で確認します。
たとえば、
So, you mean the issue will not impact tomorrow's release. Is that correct?
「つまり、その問題は明日のリリースには影響しないということですか?」
こう確認すれば、
リスニング
+
内容確認
を一度にできます。
仕事ではこちらのほうが重要ですよね。
⑥ 「もう一回」より「ここを確認したい」と聞く
何度聞いても聞き取れないことがあります。
ありますよね。(笑)
1回目。
Sorry?
2回目。
Could you say that again?
3回目。
・・・
さすがにちょっと気まずい。
こういうときは、同じ英文を何度も繰り返してもらうのをやめます。
質問を変えます。
たとえば、
Do you mean the testing has already been completed?
とYes/Noで答えられる質問に変える。
あるいは、
Which environment are you referring to?
と分からない部分だけ尋ねる。
これはかなり使えます。
英語リスニングテストではないので、
相手の英文を一字一句聞き取る必要はありません。
必要な情報が取れればOKです。
⑦ 最後はチャットや画面共有を使う
どうしても聞き取れない固有名詞があります。
人名。
システム名。
略語。
数字。
日付。
こういうものは推測すると危険です。
特に、
15なのか50なのか。
TuesdayなのかThursdayなのか。
似た名前のシステムなのか。
仕事では重要ですよね。
そんなときは、
Could you type it in the chat?
でいいと思います。
画面共有しているなら、
Could you show me where you mean?
でもいいです。
英語コミュニケーションはリスニング試験ではありません。
チャット、資料、画面共有。
使えるものは全部使ったほうがいいです。
インド英語を聞き取るときにやらないほうがいいこと
① 「自分はリスニングが苦手」とすぐに決めつける
インド英語が聞き取れないと、自信をなくします。
私も経験があります。
普通の英語教材は聞き取れる。
TOEICもある程度できる。
なのに仕事のオンライン会議では分からない。
すると、
「自分の英語なんて大したことないな・・・」
と感じてしまいます。
でも、そこで自己評価まで下げる必要はありません。
英語には、
アメリカ英語
イギリス英語
オーストラリア英語
シンガポール英語
インド英語
などさまざまなアクセントがあります。
さらに個人差まであります。
聞き取れない原因を、
英語力100%
にしないことです。
「まだこのアクセントに慣れていない」
と考えたほうが、次にやることが明確になります。
② 頭の中で英米英語に変換しようとしすぎる
「あれは本当ならこう発音するはずなのに」
と考えすぎるのもおすすめしません。
英語は世界中で使われています。
CambridgeのIndian English研究でも、インド英語は単なる「間違ったイギリス英語」ではなく、独自の特徴と地域差を持った英語変種として研究されています。
仕事の目的は、発音を採点することではありません。
意味を理解して仕事を前に進めること
です。
最初から、
「いろいろな英語がある」
と思っていたほうが楽です。
③ 分からないまま分かったふりをする
これは一番避けたいです。
英語会議では、
分からない
↓
聞き返すのが恥ずかしい
↓
とりあえずYesと言う
↓
後で何をすればいいのか分からない
ということがあります。
私も「もう一度聞くのはちょっと恥ずかしいな」と思うことがあります。
でも仕事なら、聞き返したほうがいいです。
特に、
締切
担当者
障害影響
顧客影響
次のアクション
このあたりは曖昧なままにしないほうがいいですよね。
インド英語対策で一番効果があるのは「慣れ」
いろいろ特徴を書きました。
TとD。
VとW。
TH。
R。
アクセント。
リズム。
でも、実際にインド人と仕事をしていて一番感じるのは、
結局は慣れが大きい
ということです。
最初の数回は聞きづらい。
その人が何を言っているのか必死に追う。
でも毎週話していると、少しずつ楽になる。
そのうち、
「この人がこの音で話すときはprobablyだな」
「この発音はdevelopmentだな」
と考えなくても分かるようになります。
日本語でも同じですよね。
方言の強い人と初めて話すと分かりにくい。
でも毎日話していると慣れます。
英語も同じです。
リスニング力より「コアメッセージを取る力」が重要
最近、仕事の英語会議で個人的にかなり意識していることがあります。
それが、
全部聞くのではなくコアメッセージを取る
ことです。
特に仕事では、
What happened?
何が起きた?
Impact?
何に影響する?
Next action?
次に何をする?
この3つを意識しています。
相手の英語を70%しか聞き取れなくても、この3点が理解できれば会議の内容はかなりつかめます。
逆に単語を90%聞き取れても、
「結局何を言いたかったんだ?」
となれば意味がありません。
これはインド英語に慣れる過程で気づいたことですが、他の英語会議にもそのまま使えます。
英語力というより、
会議力
に近いのかもしれません。
インド英語を聞くおすすめ練習方法
最後に、普段できる練習方法をまとめます。
① YouTubeなどでインド人が話す英語を聞く
教材の英語だけでなく、実際のインド人が話している動画を聞きます。
ビジネス系のインタビューやIT系のプレゼンなどがおすすめです。
内容そのものに興味がある動画なら続けやすいです。
最初から字幕を見ても問題ありません。
むしろ、
英語字幕を見る
↓
音を聞く
↓
もう一度字幕なしで聞く
の順番のほうが効率的です。
② 30秒だけディクテーションする
長時間やる必要はありません。
30秒ぐらいのインド英語を聞き、
聞こえた英文を書きます。
その後、字幕と比較します。
ポイントは、
何を間違えたか
より、
なぜその音を別の単語だと思ったのか
を見ることです。
VとWだった。
アクセント位置だった。
知らない単語だった。
音の問題ではなく専門知識の問題だった。
原因が分かれば対策できます。
③ シャドーイングする
聞くだけでなく、自分でもインド英語のリズムをまねしてみます。
完全にインドアクセントを身につける必要はありません。
目的は、
自分で再現できる音は聞き取りやすくなる
からです。
30秒程度で十分です。
聞く。
まねる。
もう一度聞く。
これを繰り返します。
④ 実際の仕事で使う表現を中心に聞く
一番効果的なのは、自分の仕事に近い英語です。
ITならIT。
営業なら営業。
製造なら製造。
会計なら会計。
実際の仕事で頻繁に使う英単語はある程度限られています。
私の場合なら、
issue
impact
action
current status
update
priority
clarify
confirm
complete
delay
environment
regression
release
migration
schedule
といった単語は何度も出てきます。
こういう単語をいろいろなインド人の発音で聞いておけば、仕事のリスニングはかなり楽になります。
インド英語で使える聞き返しフレーズ
最後に、会議でそのまま使える表現をまとめておきます。
単純にもう一度聞きたい
Sorry, could you say that again?
もう一度言っていただけますか。
少しゆっくり話してほしい
Could you say that again a little more slowly?
もう少しゆっくり言っていただけますか。
最後だけ聞き取れなかった
Sorry, I didn't catch the last part.
すみません、最後の部分を聞き取れませんでした。
特定の部分だけ確認したい
Could you clarify what you mean by "release"?
releaseとはどういう意味か確認していただけますか。
自分の理解が合っているか確認する
So, you mean the issue has already been resolved. Is that correct?
つまり、その問題はすでに解決済みということですか。
チャットに書いてほしい
Could you type that in the chat?
チャットに書いていただけますか。
画面で示してほしい
Could you show me where you mean?
どこのことか画面で示してもらえますか。
要点を確認したい
Just to make sure I understand correctly, what is the next action?
理解が合っているか確認したいのですが、次のアクションは何でしょうか。
個人的には最後の表現がかなり使いやすいです。
分からなかったことを隠すのではなく、
「理解を正確にするために確認している」
という聞き方になります。
まとめ:インド英語は「解読」するより慣れたほうが早い
仕事でインド人と英語で話し始めた頃、
「なんでこんなに聞き取れないんだろう」
と思うことがありました。
知っている単語なのに分からない。
オンライン会議で会話の途中からついていけなくなる。
自分のリスニング力に自信がなくなる。
同じような経験をしている人もいるかもしれません。
でもインド英語には、英米英語とは違う発音やリズムがあります。
代表的な特徴をまとめると、
- T・Dが独特の音になることがある
- VとWが近く聞こえる場合がある
- THがT・Dに近くなる場合がある
- Rの響きが英米英語と異なる場合がある
- 音節一つひとつが比較的はっきり発音される
- 単語のアクセントが想定と違うことがある
- リズムの違いによって速く感じることがある
といった点があります。
ただし、インドは言語的にも非常に多様なので、すべてのインド人が同じ発音をするわけではありません。地域、母語、教育環境、個人によってアクセントにはかなり違いがあります。
そして対策として重要なのは、
インド英語を細かく分析し続けることより、実際に何度も聞いて慣れること
だと思います。
全部の単語を聞き取る必要もありません。
仕事なら、
What happened?
Impact?
Next action?
まずこのあたりをつかむ。
分からなければ、
Could you say that again?
と聞けばいい。
それでも分からなければ質問の形を変える。
チャットも使う。
画面共有も使う。
英語コミュニケーションの目的は、リスニング能力を証明することではありません。
相手と情報を共有し、仕事を前に進めることです。
私自身もまだインド英語が100%聞き取れるわけではありません。
特にオンライン会議で速く話されると、
「今のもう一回お願い」
となることがあります。
それでも、実際に会話する回数が増えるにつれて少しずつ慣れてきました。
最初は聞き取れなかった相手の英語も、何度か話すうちに聞こえるようになります。
インド英語が難しいと感じているなら、
自分の英語力が足りない
とすぐに決めつけなくて大丈夫です。
まずは特徴を知る。
同じ人の英語を何度も聞く。
全部ではなくコアメッセージを取る。
分からなければ聞き返す。
この繰り返しで、仕事の英語は少しずつ楽になっていくと思います。
参考資料
Cambridge University Press, The New Cambridge History of the English Language: English in India — Indian EnglishにおけるT・D、V・W、ストレス、リズム等の特徴について参照。
Cambridge University Press, Indian English: Phonetics and Phonology — Indian Englishの発音および地域・話者によるバリエーションについて参照。
Cambridge University Press, Uniformity and Variability in the Indian English Accent — Indian Englishアクセントの共通性と多様性について参照。
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