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ビジネス英語 リスニング力を伸ばす 英語学習法・トピック

インド英語アクセントの特徴と対策|仕事の会議で聞き取る7つのコツ

インドの街並み

 

「インド英語が全然聞き取れないんです。どうしたらいいですか?」

職場の大切な後輩からそう相談されたら、私はまずこう答えると思います。

先に結論です

インド英語が聞き取れないからといって、
「自分の英語力が低い」とすぐに考えなくて大丈夫ですよ。

まずインド英語によくある音・リズムの特徴を知る。
そのうえで、実際に仕事で話す相手の英語に慣れる。
そして会議では、全部ではなくコアメッセージを取る。

この3つだけでも、かなり楽になると思います。

実は私自身も、仕事でインド人メンバーと英語で話す機会が増えて、最初は同じように感じました。

オンライン会議。

ちょっとした進捗確認。

障害状況の共有。

技術的な確認。

普段なら分かるはずの単語なのに、インド人メンバーが話した瞬間、

「今なんて言った?」

となるんですよね。

TOEICのリスニングなら普通に分かる。アメリカ英語にもそれなりに慣れている。それなのにインド英語になった途端、「あれ、自分の英語力ってこんなものだったっけ?」となる。私もありましたよ。

特に、早口。

技術用語。

固有名詞。

オンライン会議の微妙な音質。

これが全部重なると、一気に難しくなります。

最初は私も、

「単純に自分のリスニング力が足りないのかな」

と思いました。

でも、インド英語の発音やリズムについて調べて、実際に同じインド人メンバーと何度も話しているうちに、少し見方が変わってきました。

インド英語には、英米英語とは少し違う音やリズムの傾向があります。

そこを知らないまま、

「自分が知っているアメリカ英語と同じ音で聞こえるはず」

と待ち構えていると、かなり疲れます。

反対に、

「あ、この人のTはこう聞こえるんだ」

「このVはWに近く聞こえることがあるんだな」

「単語全部が強めに聞こえるから、重要語を見失っていたのか」

と特徴が分かると、少しずつ耳が慣れてきます。

ただし、ひとつ大事なことがあります。

一口に「インド英語」といっても、全員が同じ話し方をするわけではありません。

インドは非常に大きく、ヒンディー語、ベンガル語、テルグ語、マラーティー語、タミル語など、多数の言語が使われています。

地域、母語、教育環境、個人によってアクセントもかなり違います。

なのでこの記事で紹介する特徴は、

「インド人は必ずこう発音する」

という話ではありません。

「こういう傾向がある話者もいるので、知っておくと聞き取りやすいですよ」

くらいに捉えてください。

Cambridge University PressのIndian Englishに関する解説でも、インド英語には地域差・話者差がある一方、比較的広く見られる音声的特徴も研究されています。

発音を採点するために覚えるわけではないんですよ。仕事で「あ、この音はあの単語かもしれない」と候補を増やすために知っておく。そのくらいでいいと思います。

この記事では、実際に仕事でインド人メンバーと英語コミュニケーションを取っている経験も交えながら、

  • インド英語が聞き取りづらく感じる理由
  • インド英語アクセントによく見られる7つの特徴
  • T・D、V・W、TH、Rなどの音
  • インド英語のリズム
  • 仕事の会議で使える7つの対策
  • 聞き取れないときに使えるフレーズ
  • 普段できる練習方法
  • なぜ「慣れ」が大きいのか

まで整理しますね。

 

 

まず知ってほしい|インド英語が聞き取れない=英語力が低い、ではありません

ここは最初にお伝えしたいです。

インド英語が聞き取れないことと、英語力が低いことはイコールではありません。

もちろん、基礎的なリスニング力は必要です。

でも、それだけで決まるわけでもないんですよね。

たとえば日本人の英語にも、日本語の影響があります。

  • RとL
  • TH
  • FやV
  • 子音で終わる単語
  • 英語の強弱

など、苦手になりやすい音がありますよね。

同じように、インドで使われている各言語の影響を受けやすい音があります。

ですから、普段聞き慣れたアメリカ英語が分かっても、インド人話者になると一時的に聞き取り率が落ちることは十分あります。

そこですぐ「自分の英語なんて全然ダメだ」と結論を出さなくて大丈夫ですよ。「まだこのアクセントの音声データが自分の頭に少ないんだな」くらいでいいと思います。

実際、私も同じインド人メンバーと何週間か話していると、最初よりかなり聞き取りやすくなることがあります。

数週間でTOEICリスニング力が突然200点分伸びたわけではないですよね。

それよりも、

「この人は、この単語をこういう音で言う」

というパターンを脳が学習しているのだと思います。

この感覚は、かなり大事です。

 

インド英語アクセントでよく見られる7つの特徴

では、具体的にどこが違って聞こえるのか。

代表的なものを7つ見てみましょう。

全部暗記しなくて大丈夫です。

むしろ会議中に、

「これは第4番のRパターンだ」

なんて分析していたら、その間に会議が終わります。

「こういう聞こえ方もある」

と知っておくだけで十分ですよ。

 

① T・Dが日本人の耳には強く聞こえることがある

インド英語の特徴としてよく挙げられるのが、TとDです。

標準的な英米英語では、TやDは舌先を上の歯茎付近につけて発音します。

一方、一部のインド英語話者では、舌先を少し後ろへ反らせるretroflex(反り舌)に近いT・Dが使われることがあります。

CambridgeのIndian Englishに関する解説でも、この特徴が説明されています。

日本人の耳には、Tが少し強い、硬い音として聞こえる場合があります。

仕事で頻繁に出る単語だと、

  • today
  • data
  • details
  • target
  • status
  • update

あたりですね。

文字で見れば、全部簡単ですよね。

でも実際の会議では、知っている発音と少し違うだけで、一瞬認識が遅れます。

そこでおすすめなのは、単語単体ではなく仕事で実際に出る文章ごと覚えることです。

たとえば、

Could you give us an update on the current status?

こういう文章です。

何度かインド人話者の音声で聞いておくと、実際の会議でも、

「あ、この音はstatusだな」

と認識しやすくなります。

単語帳でstatusを100回見るより、自分の会議で出てくる一文を10回聞くほうが仕事には効くことがありますよ。

 

② VとWが近い音に聞こえることがある

これもIndian Englishでよく紹介される特徴です。

話者によっては、VとWの違いが英米英語より小さく聞こえることがあります。

Cambridgeの解説でも、一部のIndian English話者で /v/ と /w/ が近い音として実現されることがあると説明されています。

仕事だと、

  • very
  • verify
  • version
  • value
  • work
  • week
  • window

あたりはよく出てきますよね。

たとえば、

We will verify it.

と言われたとき、verifyのVが自分の想像しているVと違うと、一瞬、

「very?」

となることがあります。

ここで大事なのは、

「Vだから絶対にこの音で聞こえるはず」

と決めつけないことです。

会議の文脈が検証作業の話なら、

「今の音、verifyかもしれない」

と候補を残します。

リスニングって、耳だけでやっているわけではないんですよね。

仕事のリスニングで使える情報

音
+
会議の文脈
+
画面の資料
+
相手の担当
+
直前までの話

全部使って意味を取ればいいんです。

 

③ THがTやDに近く聞こえることがある

英語学習では、

thinkのTHは /θ/。

thisのTHは /ð/。

と習いますよね。

舌を上下の歯の間に軽く出す音です。

ところが一部のインド英語では、THがTやDに近い音で実現されることがあります。

たとえば、

  • think
  • three
  • thirty
  • this
  • that
  • they

などですね。

研究文献でも、Indian EnglishではTHが歯を使った破裂音に近く発音されるケースが報告されています。

たとえば、

I think that...

が、自分の普段聞き慣れた音と少し違って聞こえることがあります。

ただ、個人的にはこれは比較的慣れやすいと思います。

think、this、that、theyは、ものすごく頻繁に出てくるからです。

同じ人と何度か話すと、

「あ、この人のTHはこう聞こえるのね」

と脳が勝手に補正し始めます。

 

④ Rの響きが強く感じられることがある

インド人話者の英語を聞いて、

「Rの音が印象に残るな」

と感じることもあります。

話者や地域によっては、Rをはっきり発音したり、軽く弾くようなRになったりします。

アメリカ英語のRとも少し違うため、最初は独特に感じることがあります。

たとえば、

  • correct
  • requirement
  • priority
  • problem
  • process
  • current

などですね。

このあたりも仕事では頻出です。

ただ、Rを理論的に分析しながら会議を聞く必要はありません。

同じ相手の英語を何度も聞く。

こちらのほうが大切だと思います。

実際、最初は非常に聞きづらかった人でも、何週間か話すとかなり楽になります。

私も最近これを実感しています。「インド英語全般が急に聞けるようになった」というより、「この人の英語ならかなり分かる」に変わっていくんですよね。

 

⑤ 音節一つひとつが比較的はっきり聞こえることがある

個人的には、ここがかなり重要だと思っています。

英米英語では一般に、強く読む部分と弱く読む部分の差が大きいですよね。

たとえば、

I want to talk about the issue.

なら、意味上重要な単語が強くなり、toなどの機能語は弱く短くなります。

英語のリズムは一般にstress-timed rhythmと説明されます。

一方、インド英語では、話者によって各音節の長さや強さの差が英米英語ほど大きくない傾向が指摘されています。

よくsyllable-timed rhythm(音節拍リズム)という表現で説明される部分です。

これがどうリスニングに影響するのか。

私の感覚では、

「全部が結構しっかり聞こえて、どこが重要なのか分かりにくい」

ことがあります。

英語自体は聞こえている。

でも話が終わったあと、

「……で、結局一番大事なのは何?」

となるんですよね。

そこで最近は、私は全部の単語を追いかけないようにしています。

会議でまず取る3つ

What happened?
何が起きた?

What is the impact?
何に影響する?

What is the next action?
次に何をする?

会議で相手が100語話したとしても、100語全部を再現する必要はありません。

何が起きた。

何に影響する。

誰が次に何をする。

これが取れれば、仕事としてかなり対応できます。

 

⑥ 単語のアクセント位置が想定と違うことがある

英単語には強く読む位置がありますよね。

たとえば、

  • development
  • communication
  • environment

などです。

自分が覚えたストレス位置と相手のストレス位置が少し違うだけで、知っている単語なのに急に知らない音に聞こえることがあります。

Indian Englishでは、語の強勢やイントネーションにも、インド諸語の影響が見られることが研究されています。

ただし、これはインド英語だけではありません。

フランス人、中国人、日本人など、英語を第二言語として使う人には、それぞれ母語の影響があります。

大事なのは、

「自分が知っているアクセントと違う=別の単語」

と即決しないことです。

会議のテーマから候補を絞ります。

たとえばSystem Testingの話なら、

  • regression
  • scenario
  • environment
  • configuration
  • deployment

あたりが出てくる可能性は高いですよね。

リスニングなのに「予習していいの?」と思うかもしれませんが、仕事ですよ。TOEIC試験ではないので、むしろ予習できるならしたほうがいいです。

 

⑦ 実際以上に「すごく速い」と感じることがある

「インド人の英語、速すぎません?」

これもよく分かります。

もちろん、全員が速いわけではありません。

でも、

  • 聞き慣れない発音
  • 英米英語と違うリズム
  • 専門用語
  • オンライン会議の音質
  • 複数人が連続して話す

が一度に来ると、体感速度がかなり上がります。

知らない道を車で走るのと少し似ています。

初めて通る道なら、同じ60km/hでも速く感じる。

でも毎日通っていれば余裕が出ますよね。

英語も、

「この人はこういう発音をする」

「今日はこの単語が出る」

「次はおそらく影響の話をする」

と予想できるほど、体感速度は下がります。

つまり、対策するのは純粋なリスニング能力だけではないんです。

 

インド英語を仕事で聞き取る7つの対策

では、「結局どうすればいいんですか?」ですよね。

ここからは、私自身が仕事で意識している方法も含めて7つ紹介します。

 

① 全単語を聞き取ろうとしない

一番おすすめしたいのは、これです。

全部聞こうとしない。

以前の私は、

「今、前置詞が聞こえなかった」

「あの1語は何だったんだろう」

と考えているうちに、その後の10秒まで落とすことがありました。

これはもったいないです。

仕事の会議なら、まず、

  • Issue
  • Impact
  • Action
  • Owner
  • Deadline

このあたりを拾います。

何か問題が起きた。

そこまで聞こえたら、次は、

So what?

何に影響するのか。

さらに、

What next?

誰が何をするのか。

ここに集中します。

仕事の英語って、英文穴埋めテストじゃないですからね。前置詞1個を落としても、影響とアクションが取れていれば仕事は前に進められます。

 

② 会議前に「出てきそうな単語」を見ておく

リスニングを楽にする非常にシンプルな方法があります。

先に内容を知る。

これです。

ちょっとズルのようですが、まったくズルではありません。

仕事なら準備です。

たとえば会議テーマがSystem Testingなら、

  • test
  • defect
  • failure
  • scenario
  • environment
  • retest
  • regression
  • fix
  • release

くらいは出てきそうですよね。

Migrationなら、

  • migration
  • data
  • batch
  • processing
  • schedule
  • cutover
  • validation
  • completion

などです。

文字を1回見ておくだけでも違います。

人間は、予想している単語を圧倒的に拾いやすいです。

私は会議資料があるなら、英語そのものを勉強するより先に、

「今日は結局何の話をする会議なのか」

を理解するようにしています。

 

③ インド英語一般より「いつも話すAさん」の英語に慣れる

これはかなり即効性があります。

「Indian Englishをマスターしよう」

と大きく考えるより、

「毎週話すAさんの英語を聞けるようになろう」

のほうが仕事では効きます。

Aさんの英語が聞きづらいなら、Aさんの話し方へ慣れる。

Bさんが毎週説明するなら、Bさんの発音パターンを覚える。

オンライン会議を録画・録音できる環境なら、社内ルールや情報管理ルールの範囲内で聞き直す方法もあります。

一度目は分からなかった。

でも議事録を読んでからもう一度聞く。

すると、

「ああ!これを言っていたのか」

という瞬間があります。

これが大事なんです。

聞こえなかった音と、正しい単語がつながる。

次に同じ音を聞いたとき、認識できる可能性が上がります。

以前、私は英語リスニングの勉強でディクテーションもかなりやりました。

考え方は同じです。

自分が頭の中で想定している音と、実際の音のズレを見つけます。

 

④ インド人講師のオンライン英会話を使う

インド英語に慣れたいなら、やはりインド人と話す。

シンプルですが、確実ですよね。

オンライン英会話にはインド人講師が在籍しているサービスがあります。

国籍をIndiaで絞れるなら便利です。

ただし、聞き取り練習が目的なら、

「非常に聞き取りやすい英語を話す先生だけ」

を選び続けなくてもいいと思います。

あえて、少し聞き取りづらいと感じる先生とも話してみる。

仕事で出会うのは英語教師だけではありません。

  • エンジニア
  • 開発担当者
  • 営業
  • マネージャー
  • 運用担当者

いろいろな人が、それぞれの英語を話します。

最初の5分は、

「ちょっと聞きづらいな」

と思っても、25分後には少し慣れている。

これを繰り返すだけでも耳は変わりますよ。

 

⑤ 聞き取れなければ堂々と聞き返す

これは仕事では本当に大事です。

英語が上手な人=全部聞き取れる人

ではありません。

普通に聞き返します。

だって、聞こえない理由はいくらでもあります。

  • マイクが遠い
  • 通信が途切れた
  • 音質が悪い
  • 周囲がうるさい
  • 知らない略語が出た
  • 相手が突然早口になった

これで全部自分の英語力の責任にされたら、ちょっと大変ですよね。

まず使いやすいのは、

Sorry, could you say that again?

これで十分です。

少しゆっくり話してほしければ、

Could you say that again a little more slowly?

でもいいですね。

個人的に仕事で使いやすいと思うのが、

Sorry, I didn't catch the last part.

です。

「最後の部分だけ聞き取れませんでした」という意味なので、全部を最初から話してもらう必要がありません。

さらに使いやすいのが、

So, you mean ... ?

です。

聞き取れた範囲でこちらから要約して確認します。

たとえば、

So, you mean the issue will not impact tomorrow's release. Is that correct?

「つまり、この問題は明日のリリースには影響しないということですか?」

ですね。

これは、

リスニング+内容確認

を同時にできます。

仕事では、むしろこちらのほうが大事ですよね。

 

⑥ 何度も聞き取れないなら「もう一度」ではなく質問を変える

これもありますよね。

1回目。

「Sorry?」

2回目。

「Could you say that again?」

3回目。

「……」

さすがに少し気まずい。

ありますよね(笑)。3回目になると、相手もこちらも「さて、どうしようか」という空気になる。そんなときは同じ英文をもう一回聞くのをやめればいいんです。

質問の形を変えます。

たとえば、

Do you mean the testing has already been completed?

とYes / Noで答えられる質問にする。

あるいは、

Which environment are you referring to?

と、分からない部分だけ聞く。

これ、かなり使えます。

こちらはリスニング試験を受けているわけではありません。

必要な情報を取れればいいんです。

 

⑦ 最後はチャット・資料・画面共有を使う

どうしても聞き取りづらいものがあります。

  • 人名
  • システム名
  • 略語
  • 数字
  • 日付
  • 似た名前の環境名

こういうものは、無理に耳だけで勝負しないほうがいいです。

15なのか50なのか。

TuesdayなのかThursdayなのか。

仕事では重要ですよね。

そんなときは、

Could you type it in the chat?

でいいです。

画面共有中なら、

Could you show me where you mean?

でもいいですよね。

チャットを使ったら負け、なんてルールはありません。むしろ聞き間違えて事故になるくらいなら、書いてもらったほうがずっと仕事が速いです。

英語コミュニケーションは、リスニング力を証明する試験ではありません。

情報を正確に共有して、仕事を前へ進めること。

それが目的です。

 

インド英語を聞くときに、やらないほうがいい3つのこと

次は反対に、「これはあまりおすすめしないな」というものです。

 

① すぐに「自分はリスニングが苦手だ」と決めつける

インド英語が聞き取れないと、結構自信をなくします。

私もありました。

教材なら分かる。

TOEICでもある程度聞ける。

なのに仕事の会議だと急に分からない。

すると、

「自分の英語なんて大したことないな」

と感じてしまう。

でも、そこまで自己評価を下げなくていいと思います。

英語には、

  • アメリカ英語
  • イギリス英語
  • オーストラリア英語
  • シンガポール英語
  • インド英語

など、さまざまなアクセントがあります。

さらに話者ごとの個人差もあります。

聞き取れない理由を、

英語力100%

にしないことです。

「まだこのアクセントへの経験値が少ない」

と考えたほうが、次に何をすればいいか分かります。

 

② 頭の中で「正しい英米英語」に戻そうとしすぎない

「本当ならこう発音するはずなのに」

と考えながら聞くのも、あまりおすすめしません。

世界では、いろいろな英語が使われています。

CambridgeのIndian English研究でも、インド英語は単なる「間違ったイギリス英語」としてではなく、独自の特徴や地域差を持った英語変種として研究されています。

仕事の目的は、相手の発音を採点することではありません。

意味を理解して仕事を進めること。

ですよね。

なので、

「自分が覚えた音と違う!」

ではなく、

「なるほど、この人はこう発音するのね」

くらいのほうが楽です。

 

③ 分からないのに「分かったふり」をする

これは一番避けたいです。

英語会議で、

聞き取れない

↓

聞き返すのが恥ずかしい

↓

とりあえず「Yes, yes.」

↓

会議終了

↓

「……で、私は何をすればいいんだっけ?」

これは危ないですよね。

私も、

「もう一回聞くの、ちょっと恥ずかしいな」

と思うことはあります。

でも仕事なら聞いたほうがいいです。

特に、

  • 締切
  • 担当者
  • 障害影響
  • 顧客影響
  • 次のアクション

は曖昧なままにしないほうがいいですね。

 

結局、インド英語対策で一番効くのは「慣れ」だと思う

TとD。

VとW。

TH。

R。

リズム。

ストレス。

いろいろ書きました。

でも実際にインド人と仕事をしていて、一番感じるのは、

結局、慣れはものすごく大きい。

ということです。

最初の数回は聞きづらい。

必死で追います。

でも毎週話していると、少しずつ楽になる。

そのうち、

「この音はprobablyだな」

「これはdevelopmentだな」

なんて頭の中で変換すらしなくなります。

普通に聞こえてきます。

日本語でも、強い方言の人と初めて話すと分かりづらいことがありますよね。

でも毎日話していると慣れる。

それとかなり似ていると思います。

最近、以前よりインド人の英語が聞き取りやすくなったと感じることがあります。でも「英語力が突然ものすごく伸びた」というより、相手の発音パターンを知ったことのほうが大きいと思っています。

 

仕事では「リスニング力」よりコアメッセージを取る力が大事なこともある

最近、英語会議でかなり意識していることがあります。

それが、

全部聞くより、コアメッセージを取る。

です。

特に仕事なら、まずこの3つです。

①

What happened?

何が起きた?

②

Impact?

何に影響する?

③

Next action?

次に何をする?

相手の英語を70%しか聞き取れなくても、この3点が取れていれば会議の内容はかなり理解できます。

逆に90%の単語を聞き取れても、

「で、結局何が言いたかったの?」

となれば、仕事では困りますよね。

これはインド英語に慣れる過程で気づきましたが、ほかの英語会議にもそのまま使えます。

英語力というより、

会議力。

こちらに近いのかもしれません。

 

インド英語に慣れるための4つの練習方法

では、普段の学習では何をやればいいのか。

私は次の4つが実践しやすいと思います。

 

① YouTubeなどで実際のインド人が話す英語を聞く

教材用に整えられた英語だけではなく、実際のインド人話者の動画を聞きます。

ビジネス系インタビュー。

IT系プレゼン。

テクノロジー解説。

自分の仕事に近い分野なら、さらにいいですね。

最初から字幕を見ても大丈夫です。

おすすめは、

① 英語字幕を見る

↓

② 字幕を見ながら音を聞く

↓

③ 字幕なしでもう一度聞く

です。

最初から字幕なしで苦行にする必要はないですよ。

目的は聞き取れるようになることですからね。

 

② 30秒だけディクテーションする

長時間やらなくて大丈夫です。

30秒くらいのインド英語を聞いて、聞こえた英語を書きます。

そのあと字幕と比較します。

大事なのは、

「何を間違えたか」より「なぜ間違えたのか」

です。

たとえば、

  • VとWの違いだった
  • 単語のアクセント位置だった
  • THの音だった
  • そもそも単語を知らなかった
  • 専門知識がなくて意味を予想できなかった

などですね。

原因が分かれば、次から対策できます。

 

③ 30秒だけシャドーイングする

聞くだけではなく、自分でもインド英語のリズムを真似してみます。

もちろん、インドアクセントを身につける必要はありません。

目的はモノマネ大会ではないです。

自分で再現できる音は、聞き取りやすくなる。

そこを狙います。

30秒程度で十分です。

聞く。

真似する。

もう一度聞く。

これを繰り返します。

シャドーイングの具体的なやり方はこちらで詳しく説明しています。

→ シャドーイングの効果と正しい練習方法

 

④ 自分の仕事で使う英語を優先して聞く

私はこれが一番実践的だと思います。

ITならIT。

営業なら営業。

製造なら製造。

会計なら会計。

仕事で何度も出てくる単語は、意外と限られています。

私の場合なら、たとえば、

  • issue
  • impact
  • action
  • current status
  • update
  • priority
  • clarify
  • confirm
  • complete
  • delay
  • environment
  • regression
  • release
  • migration
  • schedule

といった単語が何度も出てきます。

こういう仕事語彙を、いろいろなインド人の発音で聞いておく。

それだけでも実際の会議はかなり楽になると思います。

旅行英会話100フレーズより、明日の会議に出てくるissue、impact、releaseを3人のインド人の発音で聞いておくほうが、明日の仕事には直接効きますよ。

 

インド英語が聞き取れないときに使える英語フレーズ

最後に、会議でそのまま使えるものをまとめておきます。

いくつか口から自動的に出るようにしておくと、かなり気持ちが楽になりますよ。

場面 英語
もう一度聞きたい Sorry, could you say that again?
もう一度言っていただけますか。
少しゆっくり Could you say that again a little more slowly?
もう少しゆっくり言っていただけますか。
最後だけ分からない Sorry, I didn't catch the last part.
最後の部分を聞き取れませんでした。
特定語を確認 Could you clarify what you mean by "release"?
releaseとはどういう意味か確認していただけますか。
理解確認 So, you mean the issue has already been resolved. Is that correct?
つまり問題はすでに解決済みという意味ですか。
文字で確認 Could you type that in the chat?
チャットに書いていただけますか。
画面で確認 Could you show me where you mean?
どこのことか画面で示してもらえますか。
次のアクション確認 Just to make sure I understand correctly, what is the next action?
理解が合っているか確認したいのですが、次のアクションは何ですか。

個人的には、最後の、

Just to make sure I understand correctly...

という入り方はかなり使いやすいと思います。

「聞き取れなかったので助けてください」

というより、

「仕事の理解を正確にするために確認します」

という聞き方になります。

実際、そのために確認しているわけですからね。

 

まとめ|インド英語は「解読」し続けるより、特徴を知って慣れたほうが早い

最後にまとめますね。

もし後輩から、

「インド英語が本当に聞き取れなくて、自信なくします」

と言われたら、私はこう答えると思います。

「そこまで自分の英語力を責めなくて大丈夫ですよ。私も最初はかなり聞きづらかったです。でも慣れてきます」

です。

インド英語では、話者によって、

  • T・Dが独特の音になることがある
  • VとWが近く聞こえることがある
  • THがT・Dに近い音になることがある
  • Rの響きが英米英語と違うことがある
  • 各音節が比較的しっかり聞こえることがある
  • 単語のアクセント位置が想定と違うことがある
  • リズムの違いから速く感じることがある

といった特徴があります。

ただし、インドは言語的に非常に多様なので、全員が同じ発音ではありません。

だから、特徴を全部暗記することよりも、

実際に仕事で話す相手の英語を何度も聞く。

私はこれが一番効くと思っています。

私なら、この順番で対策します

① 代表的な音の特徴を知る

↓

② 会議前にテーマと頻出語を予習する

↓

③ 全単語ではなくコアメッセージを取る

↓

④ 同じ相手の英語を何度も聞く

↓

⑤ 分からなければ普通に聞き返す

↓

⑥ 必要ならチャット・画面共有も使う

仕事なら、まず、

What happened?

Impact?

Next action?

ここをつかむ。

それで分からなければ、

Could you say that again?

と聞けばいいです。

まだ分からないなら、質問を変える。

Yes / Noで聞く。

チャットに書いてもらう。

画面を指してもらう。

それでいいんですよ。

英語コミュニケーションの目的は、「私は一度ですべて聞き取れます」と証明することではありません。

相手と情報を正しく共有して、仕事を前へ進めることです。

私自身も、インド英語を100%聞き取れるわけではありません。

速く話されたら、

「今のもう一回お願いします」

となります。

でも、実際に会話する回数が増えるにつれて、以前より楽になってきました。

最初は聞き取れなかった人の英語も、何度か話しているうちに普通に入ってくるようになります。

なので「インド英語が苦手なんです」ではなく、「まだ耳が慣れていない相手なんです」くらいでいいと思いますよ。そして仕事なら、全部聞く必要もありません。大事なところを取りにいけば十分です。

まず特徴を知る。

同じ人の英語を何度も聞く。

全部ではなく、コアメッセージを取る。

分からなければ聞き返す。

この繰り返しで、インド人メンバーとの英語コミュニケーションは少しずつ楽になっていくと思います。

 

参考資料

  • Cambridge University Press, The New Cambridge History of the English Language: English in India — Indian EnglishにおけるT・D、V・W、ストレス、リズム等の特徴について参照。
  • Cambridge University Press, Indian English: Phonetics and Phonology — Indian Englishの発音、および地域・話者によるバリエーションについて参照。
  • Cambridge University Press, Uniformity and Variability in the Indian English Accent — Indian Englishアクセントの共通性と多様性について参照。
  • グロバログ「仕事英語におけるSpeakingとWritingの特徴と違い」
  • グロバログ「前置詞のリスニングが難しい理由を知っておけばレベルアップ確実!」
  • グロバログ「英語リスニング強化策|ディクテーション練習のやり方」

 

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