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ビジネス英語 リスニング力を伸ばす

シャドーイングとは?効果と正しいやり方6ステップ【初心者向け】

記事タイトル入りスライド

 

「シャドーイングの効果とか、やり方って知ってますか?」

もし職場の後輩からそう聞かれたら、私はたぶん最初にこう答えます。

先に結論です

シャドーイングは、
「文字なら分かる英語を、音でも瞬時に分かる英語へ変えていく」
のに向いているトレーニングです。

特に、

「英文なら読めるんですよ」

「TOEICもそこそこ取れます」

「でも外国人が普通のスピードで話した瞬間、急に何を言っているか分からなくなるんですよね」

という人。

シャドーイングは、かなり試す価値があると思いますよ。

というのも、私自身、リスニングを鍛える方法の中で一番手応えを感じたのがシャドーイングだったからです。

私も「文字にすると全部知っている単語なのに、なんで音になると分からないんだろう」と思っていました。シャドーイングを続けて、このギャップが少しずつ埋まった感覚があります。

ただですね。

ひとつ注意があります。

英語を流して、その後ろを適当にモゴモゴ追いかければいいわけではありません。

ここを間違えると、

10回。

20回。

50回。

頑張ったのに、

「……全然聞こえるようにならないんですけど」

となります。

それは結構つらいですよね。

原因は、

  • 教材が難しすぎる
  • 英文の意味が分かっていない
  • 英語の音の変化を理解していない
  • ただ音源についていくことが目的になっている

といったところにあることが多いです。

なのでこの記事では、

  • シャドーイングとは何か
  • なぜリスニングに効果が期待できるのか
  • シャドーイングで期待できる効果
  • 正しい6ステップのやり方
  • 初心者・中級者・上級者ごとの練習方法
  • リピーティングやディクテーションとの違い
  • ネイティブ英語で起きる「音の変化」
  • 1日何分やればいいのか
  • シャドテン・シャドプラスの違い

まで、私自身がシャドーイングを続けて感じたことも交えて説明しますね。

 

シャドーイングとは?「英語の影」を少し遅れて追いかける練習です

まず、「そもそもシャドーイングって何ですか?」ですよね。

簡単にいうと、

英語音声を聞きながら、ほんの少し遅れて同じ音を声に出して追いかけるトレーニング

です。

英語音声

↓ 少し遅れて

自分も同じ英語を発声

↓

音源を止めず、そのまま追いかける

英語音声の後ろを、Shadow=影のようについていく。

だから「シャドーイング」と呼ばれます。

たとえば音源が、

I really enjoyed talking with you today.

と言ったら、音声が全部終わるのを待ちません。

少し遅れて、

「I really enjoyed...」

と追いかけます。

しかも、単語だけ合っていればOKではありません。

できるだけ、

  • リズム
  • 強弱
  • イントネーション
  • 音のつながり

まで真似します。

とはいえ、最初からCNNや映画の高速英語に突撃する必要はないですよ。むしろ最初は、スクリプトを読んでちゃんと意味が分かる音源から始めるほうがいいです。

なお、シャドーイングは1950年代の注意・聴覚研究などでも使われ、その後、通訳訓練や外国語教育にも取り入れられてきたトレーニングです。

 

なぜシャドーイングでリスニング力が伸びるの?

では、ここですよね。

「声に出して追いかけると、なぜ英語が聞こえるようになるんですか?」

私がシャドーイングで一番変化を感じたのは、

英語の音そのものを捉える力

でした。

英語を聞いたとき、頭の中では大まかに、

① 耳から入った音を捉える

↓

② その音を単語として認識する

↓

③ 単語・文章の意味を理解する

という処理をしています。

最初の、

「これはどんな音なのか」

を認識する段階を「音声知覚」と呼びます。

たとえば、

Got it.

文字で見れば簡単ですよね。

「分かった」です。

でもアメリカ英語の自然な会話では、

「ゴット・イット」

と教科書のように一語ずつ区切って聞こえるとは限りません。

場合によっては、

「ガリッ」「ガッリッ」

みたいに聞こえます。

すると最初は、

「今、何て言った?」

ですよね。

でも、

Got it. → 実際にはこう聞こえる

ということを知って、その音を自分でも何度も真似していると、

「あ、この音はGot it.なんだ」

と認識しやすくなってきます。

私の場合、ここが大きかったですね。「知らない英語」が減ったというより、「知っているのに聞こえなかった英語」が聞こえるようになった感覚です。

日本人英語学習者を対象とした研究でも、シャドーイングによって英語の音を捉えるボトムアップ型のリスニング処理が改善した例が報告されています。

参考:Hamada(2016)「Shadowing: Who benefits and how?」

また、第二言語習得や英語の認知処理を研究してきた門田修平教授らの研究では、日本人英語学習者を対象とした実験から、シャドーイングが音韻ワーキングメモリにおける内的なリハーサル処理を効率化する可能性が示されています。

参考:Kadota et al.(2015)

ただし、

「シャドーイングを3日やれば英語がペラペラ」

という話ではありません。

そうだったら、英語学習はずいぶん簡単ですよね。

特に相性がいいのは、

単語や文法はある程度知っているのに、実際の音声になると聞き取れない人

だと思います。

 

シャドーイングで期待できる3つの効果

では、具体的に何が変わるのか。

大きく3つあります。

 

1.リスニング力を鍛えられる

まず、やっぱりこれです。

リスニング。

シャドーイングでは、普通に聞いているときよりかなり集中して英語を聞きます。

そうすると、

  • 単語同士のつながり
  • 音の脱落
  • 弱く発音される単語
  • 英語特有のリズム
  • 強弱
  • イントネーション

に気づきやすくなります。

普通に英語を聞いているだけなら、分からなかったところは、

「あ、聞き取れなかった」

で流れていきますよね。

でもシャドーイングでは、聞き取れないところは自分でも言えません。

ここがいいんです。

自分が聞き取れていない場所がバレる。

しかも自分に。

ちょっと厳しい先生ですよね、シャドーイング。「そこ、聞こえてないでしょ」と毎回こちらに突きつけてきます。でも、それが練習になります。

 

2.英語らしい発音・リズムに近づきやすい

シャドーイングは主にリスニング訓練として使われますが、発音にもプラスが期待できます。

理由はシンプルです。

聞こえたネイティブ音声を、そのまま真似して発声するからです。

単語帳を見ながら、

water → 「ウォーター」

better → 「ベター」

と自分の知っている発音だけで読むのではありません。

実際の音源の、

  • リズム
  • アクセント
  • 音のつながり
  • イントネーション

までコピーします。

2025年に発表されたシャドーイング研究のシステマティックレビューでも、流暢さやプロソディなど、発音の一部について改善を示した研究結果がまとめられています。

参考:Whitworth & Rose(2025)

もちろん、

「シャドーイングをすれば発音がネイティブと同じになる」

とまでは言えません。

でも、英語らしいリズムや強弱に近づく練習としては使いやすいと思いますよ。

 

3.英語を前から処理する癖がつく

これも、仕事で英語を使う人には結構重要です。

シャドーイング中は、

「えーっと、この主語は……」

「このwhichは前の名詞にかかって……」

なんて考えている暇がありません。

英語はどんどん先へ進みます。

そのため、

英語を英語の語順のまま前から処理する

練習になります。

これは英語会議でも同じですよね。

相手が30秒話したあと、

「ちょっと待ってください。今から日本語に訳します」

とは言えません。

相手が話しているそばから、意味を取っていく必要があります。

シャドーイングは、そのリアルタイム処理にも負荷をかけられます。

 

シャドーイングの正しいやり方【6ステップ】

ここが一番大事です。

もし後輩から、

「じゃあ今日からYouTube流して追いかけます」

と言われたら、

「いや、ちょっと待ってください」

と言います。

いきなりスクリプトを閉じて、高速英語を必死に追いかけなくて大丈夫です。

おすすめは、この6ステップです。

STEP1 まず聞く

↓

STEP2 意味を理解する

↓

STEP3 音と文字を照合する

↓

STEP4 オーバーラッピング

↓

STEP5 シャドーイング

↓

STEP6 録音して確認

 

STEP1:まず何も見ずに音声を聞く

最初はスクリプトを見ません。

普通に聞いてみます。

全部分からなくても大丈夫ですよ。

ここで確認したいのは、

「今の自分はどの程度聞き取れるのか」

です。

半分なのか。

8割なのか。

ほぼゼロなのか。

まず現在地を確認します。

 

STEP2:スクリプトを読んで意味を理解する

次に英文を読みます。

知らない単語。

分からない文法。

知らない表現。

ここで確認してください。

意味がほとんど分からない文章でシャドーイングしても、頭の中では、

「音を追う」

より、

「いや、そもそもこの文章何の話?」

のほうに処理能力を取られます。

シャドーイングの前に、内容は理解してしまっていいですよ。「意味を見たら負け」みたいな修行ではありません。

 

STEP3:音声とスクリプトを照合する

次に、スクリプトを見ながら音声を聞きます。

そして、

「文字ではこう書いてあるのに、実際にはこう聞こえるのか」

を確認します。

たとえば、

  • 単語同士がつながっている
  • 一部の音が弱くなっている
  • 音がほとんど消えている
  • /t/ が「ラ」「ダ」に近く聞こえる

といった部分ですね。

ここを理解してから発声すると、ずいぶん楽になります。

 

STEP4:オーバーラッピングする

次はオーバーラッピングです。

これはスクリプトを見ながら、音源とほぼ同時に発声する練習です。

音源:I really enjoyed talking with you.

自分:I really enjoyed talking with you.

↑ほぼ同時

シャドーイングより少し簡単です。

目で英文を確認できるので、

  • 発音
  • リズム
  • スピード
  • イントネーション

を音源に合わせることに集中できます。

 

STEP5:スクリプトを見ずにシャドーイングする

ここで本番です。

スクリプトを閉じます。

音声を聞きながら、少し遅れて発声します。

最初から全部言えなくて大丈夫です。

途中で、

「あ、ここ全然言えない」

となったら、またスクリプトへ戻ります。

確認。

もう一度聞く。

またシャドーイング。

これを繰り返します。

シャドーイングは、一発で成功するゲームではありません。

できない場所を見つけること自体が練習なんですよね。

 

STEP6:自分の声を録音する

できれば、これはやってみてください。

録音です。

ちょっと恥ずかしいんですけどね。

でも効果があります。

自分では、

「今の、かなりネイティブっぽかったのでは?」

と思っていても、録音を再生すると、

「……誰だこれは」

となることがあります。

自分の声の録音って最初は結構ショックですよ。でも大丈夫です。みんなそんな感じですし、違いが分かるから直せるんですよね。

チェックするのは、発音だけではありません。

  • リズム
  • 強弱
  • スピード
  • 抜けている単語
  • 音源とズレている場所

まで見られます。

自分では判断しにくいなら、シャドテンなどの添削サービスを使う方法もあります。

 

シャドーイング教材の選び方|「少し頑張ればできる」がちょうどいい

教材選びはかなり重要です。

結論からいうと、

「ちょっと頑張ればついていける」くらい

がいいです。

難しすぎる教材はおすすめしません。

知らない単語だらけ。

スクリプトを読んでも分からない。

音源を流しても最初から最後まで一言も追えない。

これでは、シャドーイング以前の問題ですよね。

逆に、最初から全部聞こえて全部言えるなら負荷が足りません。

目安:
スクリプトを読めば8〜9割くらい理解できる。
音だけだと何か所か聞き取れない。
練習すれば音源についていけそう。

このくらいがいいと思います。

そして、毎日教材を変えなくてもいいです。

むしろ同じ音源を数日使う。

1日目はボロボロ。

2日目は少し言える。

3日目には、昨日まで聞こえなかったところが聞こえる。

4日目には自然に口から出る。

この「昨日は聞こえなかったのに、今日は普通に聞こえる」がシャドーイングの面白いところですよ。地味なんですが、ちゃんと手応えがあります。

 

【レベル別】初心者・中級者・上級者でシャドーイングのやり方を変える

シャドーイングは、全員が同じ教材・同じやり方でやる必要はありません。

むしろ英語力によって変えたほうがいいです。

違うのは、

  • 教材の難易度
  • 音声の長さ
  • スクリプトを見る頻度
  • 何に注意するか

です。

初心者がいきなり高速ニュースを追いかけても、

「ア……ウ……」

で30秒終わる可能性があります。

それではちょっとつらいですよね。

一方で上級者がずっと初級会話だけやっていても負荷が足りません。

今の自分より、ほんの少し難しい。

これが基本です。

 

初心者|まずは「音と文字を一致させる」

初心者の場合、最初からスクリプトを見ずにシャドーイングする必要はありません。

まずは、

「この英文が、実際にはこういう音に聞こえるんだ」

を知ることが大事です。

項目 初心者の目安
教材 短い日常会話・基礎英語・やさしい会話教材
音声の長さ 20秒〜1分程度
スピード ゆっくり〜標準
スクリプト 積極的に使う
重点 音と文字の一致・リンキング・弱化
練習時間 1日10〜15分程度

手順は、

  1. 音声を1〜2回聞く
  2. スクリプトで意味を確認
  3. 文字を見ながら音声を聞く
  4. オーバーラッピング
  5. 最後に短い区間だけシャドーイング

くらいで十分です。

初心者ほど「スクリプトを見たらシャドーイングじゃないのでは」と気にしなくて大丈夫ですよ。まず音の正体を知るところからです。

たとえば、

Did you get it?

を文字なら知っていても、会話では一語ずつきれいに分かれて聞こえるとは限りません。

何度も音と文字を照らし合わせて、

「あ、この音のかたまりがDid you get it?なのか」

と一致させていく。

初心者では、ここが大切です。

 

中級者|「読めるのに聞けない」を潰す

私は、中級者にかなりシャドーイングが合うと思っています。

TOEICならある程度取れる。

英文も読める。

でも英語会議、海外ドラマ、YouTubeになると急に聞こえなくなる。

まさに、

文字では知っている英語を、瞬時に音として認識する

練習が必要な層だからです。

項目 中級者の目安
教材 日常会話・インタビュー・ニュース・ビジネス英語
音声の長さ 30秒〜2分程度
スピード 標準的なネイティブスピード
スクリプト 確認時のみ使う
重点 音声知覚・リズム・弱形・意味処理
練習時間 1日15〜30分程度

おすすめは、最初からスクリプトを開かないことです。

  1. まず何も見ずに聞く
  2. 聞き取れない場所を探す
  3. スクリプトで確認する
  4. なぜ聞こえなかったのか考える
  5. オーバーラッピング
  6. スクリプトを閉じてシャドーイング

です。

そして、

「聞こえない=単語を知らない」

とは限りません。

  • 音がつながった
  • 一部が脱落した
  • 弱く発音された
  • 自分が覚えていた発音と実際の音が違った

ということも多いです。

「読めるのに聞けない」人には、本当にこの確認が大事だと思います。単語をさらに1,000個覚える前に、知っている5,000語が実際にどう聞こえるかを確認する感じですね。

 

上級者|音だけでなく「処理速度」まで鍛える

上級者になると、簡単な日常会話なら普通に聞こえてきます。

そこで教材を一段階上げます。

  • 自然なインタビュー
  • ディスカッション
  • ビジネスミーティング
  • 講演
  • ニュース解説
  • 複数人の会話

などです。

項目 上級者の目安
教材 インタビュー・講演・会議・自然なネイティブ会話
音声の長さ 1〜3分程度
スピード 自然なスピード
スクリプト 聞き取れない部分の確認用
重点 処理速度・プロソディ・チャンク・意味理解
練習時間 1日20〜30分程度

上級者では、単に音をコピーするだけでなく、

意味のまとまり=チャンク

を意識すると実践的です。

たとえば英語会議なら、

From our perspective / the biggest issue is / whether we can complete the testing / by Friday.

のように、意味のまとまりで受け取ります。

一語ずつ、

From……our……perspective……

と処理していたら、その間にも相手は次のセンテンスへ行ってしまいますからね。

音を真似する+意味をリアルタイムで理解する。

上級者ではここまで負荷を上げます。

ただし、口だけが音源についていって、内容が全然頭に入っていないなら難しすぎます。

そのときは少しレベルを下げてOKです。

 

上級者は「何のために英語を使うか」で教材を選ぶ

上級者になるほど、単純な英語レベルだけでは教材を選びにくくなります。

実際に使いたい場面へ寄せたほうがいいと思います。

目的 向いている教材 意識すること
海外旅行・日常会話 自然な日常会話 リンキング・弱形・短い応答
TOEIC 会話・アナウンス・説明文 情報を素早く取る
英語会議 ビジネス会話・会議・プレゼン チャンク・論点・話者の意図
海外ドラマ・映画 自然な会話 省略・弱化・速い応答
発音改善 発音が明瞭なネイティブ音声 リズム・強弱・イントネーション

レベル別の考え方

初心者:音と文字を一致させる

中級者:文字に頼らず音を認識する

上級者:音を取りながら意味までリアルタイムで処理する

 

自分が初心者・中級者・上級者か分からない場合

TOEIC何点だから中級、と厳密に決める必要はありません。

使いたい教材を一度聞いてみてください。

  • ほとんど何も聞こえない → 難しすぎる
  • スクリプトを読んでも分からない → 語彙・文法レベルを下げる
  • 読めば分かるのに音だと分からない → かなり練習向き
  • 最初からほぼ全部聞こえる → もう少し難しくてもOK

私は、

「読めばほぼ全部分かる。でも音だけだと何か所か落ちる」

くらいがちょうどいいと思います。

 

シャドーイングとリピーティングは何が違う?

リピーティングとシャドーイングの違いを比較

ここもよく聞かれます。

リピーティングは、中学・高校でもやったことがあると思います。

先生が、

「I went to the station.」

と言う。

一度止まる。

そのあと生徒が、

「I went to the station.」

と繰り返す。

これがリピーティングです。

一方のシャドーイングは、音源が止まりません。

聞きながら発声します。

学習法 やり方 主な特徴
シャドーイング 音声を止めず、少し遅れて発声 音の認識・リズム・発音を集中的に練習しやすい
リピーティング 一度聞いて、止めてから繰り返す 聞いた英文を保持して再現する練習
オーバーラッピング スクリプトを見ながら音声と同時に発声 発音・リズムを合わせやすい
ディクテーション 聞こえた英文を書き取る 聞き取れない場所を細かく特定できる

以前の私は、

「リピーティングだと、自分の知っている日本人的な発音で繰り返してしまうから、シャドーイングのほうがいい」

と思っていました。

でも、これは少し言い過ぎでした。

リピーティングにも、

聞いた英文を一時的に頭へ置いて、再現する

という別の負荷があります。

なので、

どちらが上かではなく、目的が違う。

この理解がいいと思います。

 

シャドーイングとディクテーションはどう使い分ける?

ディクテーションは、

聞こえた英文を書き取る練習

です。

何が聞こえて、何が聞こえなかったかをかなり細かく調べられます。

冠詞。

複数形。

スペル。

文法。

こういう細部にも気づきます。

ただですね。

私はディクテーション、結構しんどいです。数秒聞く、止める、戻す、また聞く、書く……。英語学習というより途中から職人の作業みたいになります。

かなり時間がかかるんですよ。

なので、

量をこなすならシャドーイング。

細かく分析するならディクテーション。

という使い分けがいいと思います。

 

ネイティブ英語が聞き取れない大きな理由「音の変化」

ここを知ると、シャドーイングが少し面白くなります。

英単語を知っている。

文法も知っている。

でも聞こえない。

その原因のひとつが、

実際の英会話では、辞書に載っている発音どおりに一語ずつ聞こえない

ことです。

代表的な音の変化を見てみましょう。

 

連結(リンキング)|単語と単語がくっつく

単語の最後と、次の単語の最初がつながる現象です。

たとえば、

Look out!

これを毎回、

「ルック・アウト」

と区切って話すとは限りません。

自然な発話では、

「ルッカウッ!」

のようにつながって聞こえることがあります。

一語ずつ聞こうとすると、

「Lookはどこへ行った?」

となりますよね。

でも最初から、

「ここはつながる」

と分かっていれば認識しやすくなります。

 

脱落・弱化|全部の文字がハッキリ発音されるわけではない

速い英語では、本来ある音が弱くなったり、ほとんど聞こえなくなったりします。

たとえば、

Good guy

を、

「グッド・ガイ」

とはっきり読むとは限りません。

自然な会話なら、

「グッガイ」

のように聞こえることがあります。

英語を聞くときは、

「書いてある文字が全部100%発音される」

という前提を一度外したほうがいいです。

 

フラップ|waterが「ウォーラー」に聞こえる理由

北米英語では条件によって、/t/ や /d/ が日本語の「ラ」「ダ」に近い音に聞こえる場合があります。

有名なのが、

water

ですね。

アメリカ英語では、

「ウォーター」

より、

「ウォーラー」「ワラー」

に近く聞こえる場合があります。

ほかにも、

  • letter
  • better
  • city
  • pretty
  • Got it.

などです。

Got it. が「ガリッ」っぽく聞こえる理由のひとつですね。初めて知ったときは、「それなら聞こえなくても仕方ないじゃん」とちょっと思いました。

 

弱形|a・the・of・toなどは弱くなる

英語では、全部の単語を同じ強さでは発音しません。

特に、

  • a
  • the
  • of
  • to
  • at
  • and
  • him
  • her
  • are
  • was

など、文法的な役割を持つ単語は弱くなることがあります。

たとえば、

a cup of coffee

を、

「ア・カップ・オブ・コーヒー」

と一語ずつ均等に発音するわけではありません。

意味上大事な単語は強く。

機能語は弱く。

この強弱が英語のリズムになります。

ここまで分かってくると、シャドーイング中に、

「ああ、聞こえなかったんじゃなくて、そもそも弱くしか発音してなかったのか」

という発見が増えてきます。

 

シャドーイングをしても「効果がない」と感じる理由

シャドーイングは万能ではありません。

毎日やっているのに、

「全然変わらないんですが……」

という人もいます。

そんな場合は、努力不足と考える前に、やり方を確認してみてください。

よくあるのは、

  • 教材が難しすぎる
  • 英文の意味を理解していない
  • 知らない単語が多すぎる
  • 音源についていくことだけが目標になっている
  • 自分の発音を確認したことがない
  • 毎日違う教材へ移ってしまう

というケースです。

特におすすめしないのは、

意味が分からない英語をひたすら音だけ真似すること。

シャドーイングへ入る前に、

意味・単語・文法・音の変化

をある程度確認しておく。

そのうえで音に集中します。

これだけでもかなり違うと思います。

 

シャドーイングが向いている人

個人的には、次のような人におすすめです。

  • TOEICなどではある程度点数が取れる
  • 英文なら意味が分かる
  • ネイティブの会話になると急に聞こえなくなる
  • 海外ドラマやYouTubeの英語が速く感じる
  • 英語会議で相手についていけない
  • 英語の発音やリズムも改善したい

特に、

「文字なら分かるのに、音になると分からない」

という人です。

かなり相性がいいと思います。

 

シャドーイングは1日何分やればいい?

「毎日どれくらいやればいいんですか?」

これもよくある疑問ですよね。

結論からいうと、

初心者なら1日10〜15分。

慣れてきたら20〜30分程度。

私はこれくらいでいいと思います。

シャドーイングは、長くやれば長くやるほど偉いトレーニングではありません。

かなり頭を使います。

音を聞く。

意味を処理する。

少し遅れて声を出す。

リズムや強弱まで真似する。

これを同時にやります。

30分でも普通に疲れます。

私も、だらだら1時間より30分集中したほうがいいと感じます。1時間やって後半20分が「口だけ参加」になったら、あまり意味がないですからね。

初心者ならまず、

  • 1日10〜15分
  • 30秒〜1分程度の短い音源
  • 同じ教材を数日繰り返す

くらいで十分です。

 

1回の練習はこんな配分でOK

30秒〜1分程度の音源なら、

  1. まず聞く
  2. スクリプトで意味確認
  3. 音の変化を確認
  4. オーバーラッピング
  5. シャドーイングを数回
  6. 最後に録音

だけでも10〜20分程度かかります。

つまり、

「30分間ずっとシャドーイングし続ける」必要はありません。

準備・確認まで含めて20〜30分で十分です。

 

週末2時間より、毎日15分のほうがおすすめ

これは筋トレと少し似ていると思います。

日曜日に2時間だけ死ぬほど頑張って、月曜から土曜までゼロ。

よりも、

毎日15〜30分。

こちらのほうが続けやすいですよね。

同じ音声を何度も聞いていると、

昨日聞こえなかった場所が、今日は少し聞こえる。

数日後には自然と口から出る。

そういう変化があります。

練習時間の目安

初心者:1日10〜15分

慣れてきた人:1日20〜30分

長時間より、短くても継続を優先。

 

シャドーイングにおすすめのサービス

ここまで説明しておいてですが、シャドーイング自体は無料でもできます。

YouTube。

Podcast。

英語ニュース。

スクリプト付き音源さえあればできます。

ですので、最初から有料サービスが必須ということではありません。

ただ、独学にはひとつ悩みがあります。

「このやり方、本当に合っているの?」

ですよね。

そしてもうひとつ。

教材選びから学習手順まで全部自分で考えないといけない。

ここを助けてくれる代表的なサービスが、

シャドテン

と

シャドプラス

です。

 

シャドテン|毎日プロに添削してほしい人向け

シャドテンは、英語コーチングのPROGRITが提供しているシャドーイング特化サービスです。

一言でいうなら、

自分のシャドーイング音声を毎日プロにチェックしてもらうサービス

です。

教材は1,000以上。

自分のレベルに合う音源を選んで練習します。

そして大きな特徴が、

1日1回の添削。

自分の音声を提出すると、

「ここの音が違います」

「ここはつなげましょう」

「この部分はもっと弱く発音します」

といったフィードバックを受けられます。

独学で一番困る、

「これで合ってる?」

を減らせるわけですね。

Webから申し込んだ場合の料金は、

月額21,780円(税込)

です。

安くはありません。

一般的な英語アプリとして見れば、かなり高めですよね。

でもこれはアプリ代というより、

「毎日プロに添削してもらう料金」

と考えたほうが分かりやすいです。

私なら最初から契約を決めません。無料体験で「添削ってこういう感じなんだ」「これなら続けられそう」と思えるか見てからでいいですよ。

 

 

\詰まるところは、伸びしろでもあります/

シャドテン公式サイトを見る

 

シャドプラス|費用を抑えて体系的に練習したい人向け

シャドプラスは、ENGLISH COMPANYが開発したシャドーイング学習サービスです。

私が特徴的だと思うのは、

いきなりシャドーイングから始めないこと。

です。

音声を聞く。

単語を確認。

意味を理解。

チャンクで処理。

そのうえでシャドーイング。

音声確認

↓

語彙・意味確認

↓

チャンクで処理

↓

シャドーイング

つまり、この記事で紹介してきたシャドーイング前の準備まで学習工程に入っているんですね。

自己流になりにくいのがメリットです。

料金は大きく2つ。

バリュープラン:Web申込 月額4,378円(税込)

フィードバックプラン:Web申込 月額21,780円(税込)

です。

自分で継続できる人なら、まずバリュープランから試すのも使いやすいと思います。

添削まで欲しいならフィードバックプランですね。

バリュープランには初回7日間の無料体験があります。

 

 

\まず実際の学習手順を試してみる/

シャドプラス公式サイト

 

シャドテンとシャドプラスの違いを比較

「で、どっちがいいんですか?」

となりますよね。

ざっくり言えば、こうです。

比較 シャドテン シャドプラス
主な特徴 シャドーイング特化+毎日添削 学習手順をアプリで体系化
Web料金 月額21,780円 月額4,378円〜
添削 1日1回 フィードバックプランで利用可能
教材 1,000以上 オリジナル・ニュース系など
向いている人 プロに毎日チェックしてほしい人 自分で学習を進められる人
無料体験 7日間 バリュープラン初回7日間

毎日しっかり添削してもらいたいならシャドテン。

費用を抑えながら、自分で体系的に進めたいならシャドプラス。

こんな分け方が分かりやすいと思います。

でも、無料体験があるなら、最後は使ってから決めればいいですよ。

口コミを30件読むより、7日間自分で使うほうが早い場合もあります。

 

まとめ|シャドーイングは「知っている英語を、聞き取れる英語に変える」練習

では最後にまとめますね。

もし後輩から、

「結局、シャドーイングってやったほうがいいですか?」

と聞かれたら、私はこう答えます。

「文字なら分かるのに音だと分からないなら、かなり試す価値ありますよ」

です。

シャドーイングは、英語音声を聞きながら、ほんの少し遅れてその音を追いかけて発声するトレーニングです。

私が一番価値を感じるのは、

「文字として知っている英語」と「実際に聞こえてくる英語」のギャップを埋めやすいこと。

です。

Look out.

Got it.

water.

文字なら全部簡単ですよね。

でも会話では、

音がつながる。

弱くなる。

消える。

別の音のように聞こえる。

そういうことが普通に起きます。

その実際の音を聞く。

自分でも真似する。

また聞く。

また真似する。

それを繰り返すと、以前はただの「音のかたまり」だったものが、少しずつ英単語として聞こえるようになります。

ただし、

難しい教材を根性で追いかけるのはおすすめしません。

① まず意味を理解する

↓

② 実際の音の変化を確認する

↓

③ オーバーラッピングする

↓

④ スクリプトを見ずにシャドーイング

↓

⑤ 録音して確認

この順番がおすすめです。

そして最初は1日10〜15分で十分。

慣れてきたら20〜30分。

週末だけ2時間頑張るより、短くても毎日続けるほうがやりやすいと思います。

シャドーイングって結構地味なんですよ。でも昨日まで聞こえなかった一言が、ある日普通に聞こえたときは結構うれしいです。「お、今聞こえたな」って。私はそこが好きですね。

独学ならYouTubeやPodcastでも十分始められます。

やり方が正しいかプロに毎日見てもらいたいならシャドテン。

費用を抑えながら学習手順を体系化したいならシャドプラス。

でもまずは、有料サービスの前に30秒くらいの簡単な英語で構いません。

実際に一度シャドーイングしてみてください。

「あ、ここ全然言えないな」

と詰まった場所。

そこが、今の自分がまだ聞き取れていない場所でもあります。

そして数日後にそこが聞こえたら、ちゃんと前に進んでいますよ。

 

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参考文献:Hamada(2016)「Shadowing: Who benefits and how?」

参考文献:Kadota et al.(2015)「The Effect of Shadowing on the Subvocal Rehearsal in L2 Reading: A Behavioral Experiment for Japanese EFL Learners」

参考文献:Whitworth & Rose(2025)「A Systematic Review of Research on the use of Shadowing for Second Language Pronunciation Teaching」

 

-ビジネス英語, リスニング力を伸ばす