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TOEICスコアUPのコツ リスニング力を伸ばす

英語が聞き取れないのはなぜ?原因を4つに分解|実体験からわかった8つの対策

英語でミーティングをしている様子

英語を勉強していると、ちょっと納得がいかない瞬間がありますよね。

英文を見れば分かる。

単語も知っている。

文法だって、そこそこ勉強してきた。

なのに、ネイティブや英語話者が口を開いた瞬間、

「……今、何て言った?」

となる。

私もこれを何度経験したか分かりません。

でも、先に結論を言うと、英語が聞き取れないのは「リスニング能力がない」という一言では片づけられないんですよ。

原因を分解すると、だいたい次の4つに整理できます。

英語が聞き取れない4つの原因

  • そもそも音が十分に聞こえていない
  • 単語・文法・発音の知識と音が結びついていない
  • 話題や背景についての知識が足りない
  • 英語のスピードに意味処理が追いついていない

ここを切り分けるだけでも、「自分は英語がダメなんだ」という、かなり雑な自己評価から抜けられると思います。

リスニングは根性勝負というより、どこで処理が止まっているのかを探す作業なんですよね。

この記事では、私自身が英語を使って仕事をしてきた経験も交えながら、なぜ英語が聞き取れないのか、そして何をすると改善しやすいのかを順番に整理します。

 

\リスニング練習法をまとめています/

 

目次

 

英語が聞き取れない理由|まず「どこで止まっているか」を分けて考える

英語をリスニングするプロセスと英語が聞き取れない状態を示したイラスト

英語が聞き取れない状態

英語を聞いて意味を理解するまでには、大ざっぱに言えば次の流れがあります。


音を聞く → 知っている音・単語・文法と照合する → 文脈の中で意味を理解する

どこか1か所でも止まれば、私たちはまとめて「英語が聞き取れなかった」と感じます。

ここがリスニングのちょっと厄介なところですよね。

たとえば知らない単語が1語あっただけなのに、会話が終わったあとには、

「今日は全然聞き取れなかったな……」

と、英語力全体にまでダメ出ししてしまう。

いやいや、そこまで大事件ではないです。

犯人は1語だったのかもしれません。

まずは「何が聞き取れなかったのか」を切り分ける。ここから始めるのがおすすめですよ。

 

原因1:そもそも相手の声が十分に聞こえていない

これは当たり前のようですが、意外と見落とします。

相手の声が小さい。

オンライン会議の回線が悪い。

周囲がうるさい。

マイクが遠い。

複数人が同時に話している。

この状態では、そもそも脳が分析するための「音」が十分に入ってきません。

ところが第二言語になると、こういう物理的な問題まで、

「自分の英語力が足りないから聞き取れない」

と考えてしまいがちなんですよね。

私も英語のWeb会議で何度もありました。

あとから日本人同士で話してみたら、

「あそこ、音悪かったですよね」

となる。

ですよね。英語力以前の話だったわけです。

まず確認したいこと

  • 音量は十分か
  • 通信状態は安定しているか
  • 相手のマイク環境に問題はないか
  • 雑音が多くないか
  • 複数人が同時に話していないか

 

原因2:知っている英語と「聞こえてくる音」が結びついていない

ここが、英語学習者にとって大きなポイントだと思います。

単語帳を見れば分かる。

英文を読めば分かる。

でも音になると分からない。

これは珍しいことではありません。

まず、まったく知らない言語で考えると分かりやすいです。

たとえばギリシャ語。

1倍速

Πού είναι ένα κουτί σκόνης;

おそらく分からないですよね。

では、半分の速度ならどうでしょう。

0.5倍速

Πού είναι ένα κουτί σκόνης;

ゆっくりになりました。

でも、やっぱり分からない。

速度ではなく、単語・発音・文法などの知識と音を照合できないからです。

英語でも基本的には同じです。

リスニングには語彙力・発音・文法知識が土台として必要であることを示したイラスト

リスニングの土台

ちなみに先ほどの文は、ここでは「ごみ箱はどこですか?」のような場面を想定した例です。

仮にフードコートで、食べ終えたトレーを持った人から話しかけられたらどうでしょう。

フードコートで文脈から発言の意味を推測する場面

言葉そのものが分からなくても、

「返却場所か、ゴミ箱の場所を聞いているのかな」

とかなり推測できますよね。

つまりリスニングは、耳だけでやっているわけではありません。

語彙・文法・発音・文脈・背景知識を総動員しています。

 

語彙|知らない単語は、基本的には聞き取れない

これはかなりシンプルです。

知らない英単語は、音が耳に入っても意味につながりません。

たとえば私は、以前この英文のexoneratedが分かりませんでした。

Mike was fortunately exonerated of all charges.

exonerate:容疑・責任などを晴らす、免責する

Mike、fortunately、all chargesあたりは分かります。

でも文の中心となるexoneratedが分からない。

すると、文章全体としては、

「マイクが……何か……charges……え?」

という残念な状態になります。

知っている単語が8割あっても、重要な2割が抜けると意味が崩れることはあります。

「聞こえなかった」のではなく、「聞こえたけれど知らなかった」という場合もかなりありますよ。

 

文法|単語を全部知っていても意味を取れないことがある

語彙だけでもありません。

文法構造を瞬時に処理できないと、リスニング中に意味が迷子になります。

私は以前、ifを省略した仮定法の倒置が苦手でした。

Should you see Mike at the conference, please say hello to him.

単語は全部知っています。

でも、冒頭のShould you see...を「もし会ったら」と一瞬で処理できないと、その後までズルズル引きずられるんですよね。

ここで使われている文法

If you should see Mike... の if が省略され、Should + 主語 + 動詞の倒置になっています。

読めば分かる。

でも聞いた瞬間には処理できない。

この差を埋める必要があります。

 

固有名詞|知らない人名・地名は難しくて当然

地図のイラスト。英語の固有名詞は聞き取りにくい

そして意外な伏兵が固有名詞です。

人名、会社名、商品名、地名。

これは知らなければ本当に難しいですよね。

たとえば初対面の人に、こんなふうに言われたとします。

Hi! Nice to meet you. I'm Galeron and I live in Peterborough.

人名も地名も知らなければ、そこだけ突然モザイクがかかったようになります。

日本語なら「佐藤です」「横浜です」と聞けば、固有名詞だと瞬間的に分かります。

でも外国の知らない名前では、その「固有名詞レーダー」がまだ十分に働かない。

これは英語力というより経験値の部分も大きいと思いますね。

 

発音|スペルで覚えた単語は、音になると別人になる

これも私は何度も経験しました。

意味は知っているのに聞き取れない。

あとでスクリプトを見ると、

「いや、それ知ってる単語じゃん」

となるやつです。

私が発音を勘違いしていた英単語の例

  • above
  • dawn
  • infamous
  • mortgage
  • indictment

たとえば私は、昔indictmentをスペルにつられて「インディクトメント」のように覚えていました。

でも実際の発音では c の音は出ません。

頭の中に登録している音と、現実に聞こえてくる音が違えば、照合できないですよね。

実際の音を確認

above

dawn

infamous

mortgage

indictment

私の場合、今でもRから始まる短い単語が聞き取りにくいことがあります。

個人的に聞き取りにくかったRの単語

ruin

real

rim

こういう「自分だけの弱点単語」を見つけていくのも、結構大事ですよ。

 

音の変化|英語は単語帳どおりには発音されない

英語打ち合わせでリスニングしている場面

さらに難しいのが、単語をつなげて話したときの音の変化です。

英語では、会話になると単語が1個ずつ教科書のように整列して出てくるわけではありません。

音がつながったり、弱くなったり、消えたり、別の音に近づいたりします。

知っておきたいConnected Speech(つながった英語)の例

  • Linking / Catenation:音がつながる
  • Reduction:音が弱くなる
  • Elision:一部の音が落ちる
  • Flapping:米語などで /t/ が日本語のラ行に近い音になることがある
  • Weak forms:機能語が弱く発音される

たとえば、アメリカ英語の会話でのGet it。

Get it!

日本語カタカナの「ゲット・イット」と一語ずつ区切って待ち構えていると、かなり違って聞こえます。

逆に、あらかじめ「実際にはこう変化する」と知っていれば、耳がびっくりしなくなります。

British Councilも、自然な英語では単語同士がつながるconnected speechが起きると説明しています。

British Council:Connected speechの解説

文字で覚えた英語と、実際に耳から入る英語。この2つを一致させていく感じですね。

英語の音の変化を詳しく見る

 

原因3:話題や背景についての知識が不足している

英語で打ち合わせをしているシーン

ここは、仕事で英語を使う人には特にお伝えしたいところです。

内容が分からないことと、英語が分からないことは別です。

日本語で量子力学の専門家同士の議論を聞いて分からなくても、

「自分、日本語力ないな……」

とは思わないですよね。

ところが英語になると、内容が分からないだけなのに、全部「英語力」に請求書を回してしまいます。

英語力、身に覚えのない請求まで背負わされがちなんですよね。

以前、流ちょうに英語を話す韓国人2人と会話したときのことです。

2人が韓国で有名なお菓子について話し始めました。

私はほとんど理解できません。

会話直後は、

「いやあ、英語が聞き取れなかったな……」

と思いました。

でも後から考えてみれば、そもそも私は韓国のお菓子のメーカーも商品名もほぼ知らなかったんですよね。

日本語で説明されても、知らない固有名詞が連発されたら結構つらかったはずです。

もう一つあります。

昔、現場工事のアルバイトをしたとき、外国人の職人さんが配管を運ぶ際の注意点を英語で説明しました。

私はさっぱり分かりません。

ところが隣にいた工事経験者の日本人アルバイトは、一度でかなり理解していました。

背景知識が英語の聞き取りを助けることを示す工事現場のイラスト

英語力だけではありません。

「この場面なら、おそらくこういう話をする」

という予測ができる人は強いんです。

第二言語のリスニング研究でも、背景知識が内容理解に関係することが報告されています。

Cambridge University Press:Background Knowledge and Second Language Listening Comprehension

なので英語会議の前に資料を読むのは、単なる会議準備ではありません。

立派なリスニング対策です。

 

最近あらためて実感した「アクセントを知ると聞こえ方が変わる」

仕事柄、私はさまざまな国の人の英語を聞きます。

最近特に感じたのが、アクセントにも「慣れ」があるということです。

たとえばインド英語。

最初は音の置き方やRの響き、リズムが自分の慣れているアメリカ英語と違って、聞き取りに苦労しました。

ところが、

「あ、この音はこう聞こえることが多いんだな」

「この人はこの単語をこう発音するんだな」

と特徴が少しずつ分かってくると、不思議なくらい聞こえる範囲が増えてきました。

相手の英語そのものが急に変わったわけではありません。

こちら側の脳に「変換ルール」が増えたんですよね。

これは個人的にはかなり大きな発見でした。

そして仕事の英語では、必ずしもアメリカ人やイギリス人だけと話すわけではありません。

インド、シンガポール、フランス、中国、韓国など、いろいろな英語に触れます。

「ネイティブ英語だけを聞き取れる耳」より、「相手の英語にしばらくすると適応できる耳」のほうが、実務では使いやすいと思いますね。

 

原因4:速い英語に意味処理が追いついていない

速い英語をリスニングしている場面

単語も知っている。

発音も知っている。

文法も分かる。

それでも速くなると分からない。

これは処理速度の問題です。

日本語でも、初めて聞く難しい内容をYouTubeの2倍速で再生されたら、少しつらいですよね。

英語ではそれが常時起きやすいわけです。

しかも一文目の意味を考えている間にも、相手は二文目、三文目へ進んでいきます。

リスニングは待ってくれません。

語彙力・発音・文法知識、背景知識、スピードへの慣れがリスニングに重要であることを示したイラスト

リスニングに必要な要素

そこで必要になるのが、英語を英語の語順のまま、前から処理する練習です。

 

30秒診断|あなたはどこで英語が聞き取れなくなっている?

ここまでを一度整理してみます。

症状 可能性が高い原因 主な対策
スクリプトを見ても意味が分からない 語彙・文法 語彙・文法学習
スクリプトを見ると一瞬で分かる 音と文字がつながっていない 発音確認・ディクテーション
ゆっくりなら分かる 処理速度 シャドーイング・速読
知らない話題になると急に分からない 背景知識 事前インプット
人名・地名だけ抜ける 固有名詞 聞き返す・スペル確認
特定の国・話者だけ難しい アクセントへの慣れ 同じアクセントを集中的に聞く
こうやって原因が見えると、「とにかく英語をたくさん聞く」より対策しやすくなりますよ。

 

英語が聞き取れない状態を改善する7つの方法

では、ここから具体的な対策です。

私自身がいろいろ試してきて、特に意味があったと感じているものをまとめます。

 

1.シャドーイングで「音」を追えるようにする

まずおすすめしたいのがシャドーイングです。

英語音声を聞きながら、少し遅れて同じように発声していく練習ですね。

ポイントは、単に文章を読むのではなく、

シャドーイングで意識するもの

  • 音
  • 強弱
  • リズム
  • イントネーション
  • ポーズ
  • 音のつながり
  • 弱くなる音

まで、できるだけ再現することです。

これをやると、

「英文では知っているけれど、耳では認識できない英語」

が少しずつ減っていきます。

シャドーイング研究でも、日本人英語学習者を対象とした研究で、特に音声知覚などリスニングのbottom-up処理への効果が報告されています。

Yo Hamada:Shadowing: Who benefits and how?

ただし、シャドーイングなら何でもいいわけではありません。

難しすぎる音源では、ただ必死に後ろから追いかけるゲームになってしまいます。

内容を読めばほぼ理解できる教材から始めるほうがいいと思いますね。

記事タイトル入りスライド
シャドテンを実際に使ったレビュー

  「シャドテンって料金高いですよね。実際、そんなに効果があるんですか?」 これ、私も始める前にかなり気になりました。 結論から。 実際に使った私の結論 料金は高いです。 Web申込みでも月 ...

シャドーイングそのもののやり方はこちらでも詳しくまとめています。

シャドーイングの正しい練習方法はこちら

 

\シャドーイングを添削してもらえる/

シャドテン公式サイトを見る

 

2.ディクテーションで「聞こえない場所」を見える化する

ディクテーションもおすすめです。

やり方は単純で、聞こえた英語を書き取るだけです。

でも、これがかなり正直なんですよ。

なんとなく聞き取れているつもりだった場所まで、容赦なく白日の下にさらされます。

最初は、

「え、3語しか書けない……」

となることもあります。

大丈夫です。

そこからが練習です。

おすすめのディクテーション手順

  1. 短い音声を一度聞く
  2. 聞こえた範囲を書き取る
  3. 数回聞き直す
  4. もう無理だと思ったらスクリプトを見る
  5. なぜ聞き取れなかったのか確認する
  6. 最後にもう一度音声を聞く

ここで重要なのは、単なる正誤確認で終わらせないことです。

知らない単語だったのか。

知っていたけれど発音を間違えて覚えていたのか。

音が連結していたのか。

速さについていけなかったのか。

原因まで確認すると、次につながります。

ディクテーションの良いところ

「聞ける英語」と「聞けない英語」を見える化できること。

 

3.発音記号と英語の基本的な音を確認する

英語の発音記号と基本的な音を確認する

英語の音そのものを一度体系的に確認するのもおすすめです。

英語教育では「英語には44音素ある」と説明されることも多いですが、音素の数は英語のアクセントや分類方法によって変わります。

なので「44個を暗記しなければ」と身構える必要はないですよ。

それより、

自分が区別しにくい音を知ること

のほうが実用的です。

British Councilには、発音記号をタップして実際の音を確認できる無料教材があります。

British Council「LearnEnglish Sounds Right」

意味は知っているのに発音に自信がない単語を見つけたら、その場で辞書の音声を聞く。この習慣はかなり効きますよ。

私はこれを繰り返して、スペルだけで覚えていた英単語を少しずつ修正してきました。

 

4.英語の「音の変化」を知って、自分でも発声する

英語の音の変化を覚えて発声練習する

英語の音の変化は、知識だけでもかなり違います。

知らなければ、

「なぜ教科書と全然違う音になるの?」

となります。

知っていれば、

「はいはい、ここが弱くなったんですね」

と処理できます。

この差は大きいですよ。

優先して確認したい音声現象

  • 子音+母音のつながり
  • 音の脱落
  • 弱形
  • 米語のフラッピング
  • 強勢とリズム

そして、知るだけではなく自分の口でも真似してみることが大切だと思います。

自分が再現できる音は、耳でも認識しやすくなります。

英語の音の変化を詳しく確認する

前置詞などの機能語は特に弱く発音されやすいので、こちらの記事も参考になると思います。

記事タイトル入りスライド
前置詞のリスニングが難しい理由を知っておけばレベルアップ確実!

  英語を聞いていて、こんなことありませんか。 in、on、at、of、for、to。 全部、中学英語で習った単語です。 見れば一瞬で分かります。 なのにネイティブの英語になると、 「……今 ...

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5.固有名詞は「一発で聞き取ろう」としない

固有名詞は聞き返して確認する

これは勉強法というより、実務上の割り切りです。

知らない固有名詞は聞き返せばいい。

私はそう考えています。

人名や地名を一度で完璧に聞き取れないからといって、英語力に落第判定を出す必要はありません。

そのまま使える聞き返し表現

Could you spell that for me?
スペルを教えていただけますか?

Could you say the name again?
その名前をもう一度言っていただけますか?

Could you show me where that is on the map?
地図でどのあたりか教えていただけますか?

仕事ならチャット欄に書いてもらうのも手です。

聞き返すこと自体は失敗ではありません。

確認しないまま間違えるほうが実務では困ります。

 

6.語彙と文法を増やして「次に来る英語」を予測する

語彙力や文法知識を増やして英語の予測力を高める

リスニングというと「耳を鍛えるもの」という印象がありますよね。

でも、語彙と文法の強化もかなり重要です。

研究でも、第二言語のリスニング能力には語彙知識と統語知識の両方が関係すると報告されています。

Cambridge University Press:Vocabulary and syntactic knowledge in L2 listening

語彙は私は2方向から増やしています。

語彙を増やす2つのルート

  1. 英単語帳などで頻出語をまとめて覚える
  2. 実際の仕事・会話・読書で遭遇した自分に必要な表現を集める

私は後者をGoogleスプレッドシートに「My英語表現リスト」として貯めてきました。

Googleスプレッドシートで管理しているMy英語表現リスト

著者の「My英語表現リスト」

文法知識も増えてくると、次に来る言葉を予測できます。

たとえば、

Not only...

と来たら、

but also...

をある程度予測できますよね。

実際のリスニングは、一語ずつゼロから解読しているわけではありません。

知識を使って次を予測しながら聞く。

この力が付くと、全部の音を100%拾わなくても内容が分かるようになってきます。

 

7.会議や会話の前に、話題を予習しておく

英会話の前に関連知識をインプットする

これは仕事で英語を使う場合、即効性があります。

英語会議は、会議が始まる前からリスニング対策が始まっています。

議題が分かっているなら、

  • 前回までの経緯
  • 今回決めたいこと
  • 登場しそうな専門用語
  • 人名・システム名・製品名
  • 相手が主張しそうな内容

を先に頭へ入れておきます。

すると会議中、音声情報だけに頼らなくて済みます。

私は仕事でこれをかなり実感しています。

担当プロジェクトの内容が分かってくるほど、同じ人が話す同じ英語でも聞き取りやすくなるんですよね。

英語力が一晩で急上昇したわけではありません。

何の話をしているのか予測できるようになったからです。

英語会議の予習は、「仕事の準備」と「リスニング練習」を同時にやっているようなものですよ。

 

8.「前に戻らない」速読で処理速度を上げる

前に戻らない多読・速読で英語の処理速度を高める

最後は耳ではなく、目を使った練習です。

私は前に戻らない速読もリスニング対策になると感じています。

英文を読むとき、分からなくなるたびに前へ戻っていると、

英語を前から順番に処理する習慣

がつきにくいんですよね。

リスニングでは、

「すみません、3秒前へ戻ります」

とはできません。

相手はそのまま進みます。

ですからリーディングでも、一定時間は戻らず前へ進む練習をします。

ReadingとListeningはどちらも知識と照合して意味を理解するプロセスがあることを示す図

前から意味を処理する練習

私がよく使うのは英語ニュースです。

多読・速読に使いやすい英語ニュース

やり方は難しくありません。

私がやっている速読方法

  1. 興味のある記事を選ぶ
  2. 途中で分からなくなっても最後まで前へ進む
  3. 読み終わってから分からない単語を調べる
  4. 必要ならもう一度読む

ここで大事なのは、難しすぎる記事を選ばないことです。

1段落に知らない単語が10個も出てきたら、それは速読というより障害物競走になります。

私の場合、NHK WORLD-JAPANあたりの比較的読みやすい記事が使いやすいです。

 

「全部聞き取ろう」としないほうが、むしろ聞き取れる

ここまでいろいろ書いてきましたが、もう一つ大事だと思っていることがあります。

英語を一語残らず聞き取ろうとしないことです。

私も以前は、冠詞のaやthe、前置詞のofやtoまで全部捕まえようとしていました。

でも、それをやると一つの小さな音を追いかけている間に、大事な内容語を逃します。

仕事の会議なら、もっと極端です。

本当に必要なのは、

会議で優先して拾いたい情報

  • 何が問題なのか
  • 誰が対応するのか
  • いつまでなのか
  • 何が決まったのか
  • 何がまだ決まっていないのか

ですよね。

一語一句の書き起こし大会ではありません。

全部の単語を取ることより、「この人は結局何を言いたいのか」を取る。この意識に変えてから、私は仕事の英語がかなり楽になりました。

 

結論|英語が聞き取れないときは「英語力不足」で終わらせない

英語が聞き取れないと、つい、

「もっと英語力を上げないと……」

と考えますよね。

もちろん勉強は必要です。

でも、その前にもう一段細かく見てみるのがおすすめです。

英語が聞き取れないときのチェックポイント

  • 音そのものは聞こえていたか
  • 知らない単語ではなかったか
  • 単語の発音を正しく覚えていたか
  • 音がつながったり弱くなったりしていなかったか
  • 文法構造を瞬時に処理できたか
  • 固有名詞ではなかったか
  • 話題について知識があったか
  • そのアクセントに慣れていたか
  • 単純にスピードについていけなかったのか

原因が違えば、対策も違います。

単語を知らないのにシャドーイングだけ続けても効率が悪いですし、音の変化が原因なのに単語帳だけ増やしても解決しにくいですよね。

私自身、長く英語を勉強して仕事でも使ってきましたが、それでも聞き取れない英語は普通にあります。

ただ以前と違うのは、聞き取れなかったときに、

「なぜ聞き取れなかったのか」

をある程度分析できるようになったことです。

これは結構大きいですよ。

「自分はリスニングが苦手だ」で終わると、次に何をすればいいか分かりません。

でも、

「この単語の発音を間違えて覚えていた」

「今日は議題の背景知識が足りなかった」

「この人のアクセントにまだ慣れていない」

まで分かれば、次の一手が見えます。

聞き取れなかった1回を、次に聞き取れるようになるための材料にしていけばいいと思いますね。

 

私には「聞き流し」よりシャドーイングが合っていた

シャドテンの1日30分の学習フロー

シャドテンの学習イメージ

最後に、自分の経験を少し。

私は一時期、英語をとにかく流しておけば耳が慣れるのではと思い、いわゆる「聞き流し」もやりました。

少なくとも私には、あまり手応えがありませんでした。

その後、シャドーイングをしっかりやるようになり、

「今の音は聞き取れなかった」

「ここは音がつながった」

「この単語の発音を間違えて覚えていた」

と、自分の弱点が具体的に分かるようになりました。

私は仕事で十分な学習時間を取りにくかったので、1日30分ほどで練習を回せるシャドテンは使いやすかったです。

もちろん、すべての人に必要なサービスではありません。

自分で教材を選び、自分で発音のズレを確認して修正できるなら、独学でも十分できます。

一方で、

  • どこが間違っているのか自分では分からない
  • シャドーイングのやり方に自信がない
  • 毎日ある程度強制力がほしい

という場合は、添削を受ける意味はあると思います。

メリットだけでなく、料金やデメリットも含めてこちらでまとめています。

記事タイトル入りスライド
シャドテンを実際に使った感想・料金・デメリット

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