Gmailで"May I borrow pen ?"、"Where can I get a water ?"とタイプすると以下のように青い波線が入ります。
これは、
と、GoogleのAI機能が教えてくれています。
この記事では冠詞"a", "the"と可算名詞/不可算名詞の関係ついて説明します。
この記事を作成するにあたり、英文法の本質を分かりやすく解説してある以下の書籍を参考にしています。
この記事はこんな方向けです
- a, theなどの冠詞のルールが今一つ分からない
- 英語を使うときには正しい英語にこだわりたい
冠詞"a"と"the"の使い方
冠詞は正しく使えなくても、英文の意味がわからないというようなことはないですよね。
語感が養われてから正しく使えるようになれる厄介な文法です。
冠詞を理解するには、可算名詞(数えられる名詞)と不可算名詞(数えられない名詞)とセットで捉えるのが近道です。
可算名詞book、不可算名詞informationを例に、英文で冠詞が登場する際のルールを表にまとめました。
文法的に〇はOK、×はNGです。
冠詞のルールまとめ
a/an | the | 冠詞なし | ||
可算 名詞 |
単数 | 〇 a book |
〇 the book |
× |
複数 | × a books |
〇 the books |
〇 books |
|
不可算 名詞 |
× |
〇 the information |
〇 information |
くどいようですが、上記のルールはあくまでも英文内で冠詞が登場する場合です。
メールの件名、記事のタイトル、チャットなどでは、ルールより英文を短くすることを優先して、つけなければならない冠詞が省略されることが頻繁にあります。
ただ、冠詞に自信がないときは以下の代替策が使えます。(この記事で一番言いたいことです)
冠詞に迷うときの対処法
可算名詞/不可算名詞にかかわらず、限定詞であるthisやthat、人称代名詞の所有格my/your/his/her/theirなどを冠詞のかわりに使っておけば文法的にOK!
例をあげるとこんな感じです。
例
例文 I lost book.
👉可算名詞の単数形なのに限定詞がbookの前にないまま単独で現れているので文法的に誤り。
例文 I lost that book.
👉限定詞"that"を名詞の前につけているので文法的にも意味的にも問題ない。(不可算名詞informationの場合でもOK: I lost that information.)
例文 I lost my book.
👉限定詞"my"を名詞の前につけているので文法的にも意味的にも問題ない。(不可算名詞informationの場合でもOK: I lost my information.)
名詞が可算名詞か不可算名詞か自信がないまま冠詞aをつけてしまうと、不可算名詞であったときは文法的に誤りになってしまいます。
同様に、冠詞・限定詞なしで名詞を単数形で使ってしまうと、可算名詞であったときは誤りです。
少し冠詞からそれますが、意味的に複数形で使いたいけれど可算名詞か不可算名詞か自信がなく名詞の語尾に複数形のsをつけてよいかどうか迷ってしまうことがあります。
たとえば、equipment、furnitureなどは不可算名詞ですが、そのことが知識にないと「数えられない」とは思えないですよね。
こういうわかりにくい不可算名詞はそんなに数が多くないのでまとめて覚えておくとよいと思います。
\不可算名詞もあわせて理解/
可算名詞と冠詞の関係
ココがポイント①
可算名詞は英文の中で単独になれない。a, theなどの冠詞、複数形、my, yourなどの所有格と必ずセットになる!
形や区切りがあり、ひとつ、ふたつと数えられる可算名詞は、以下のような使い方をします。
- a か theのいずれかがつく、または複数形になる
- my, your, theirなどの所有格がつく
名詞の前につくa, the, my, your, theirなどは、名詞や名詞句を修飾する語の一種であるdeterminer(限定詞)と文法用語では呼ばれます。
「determine:決定する、限定する」の意味のニュアンスのとおり、"対象を限定する言葉"の意味です。
不可算名詞と冠詞の関係
ココがポイント②
不可算名詞は英文の中で単独になれる。ただし、不可算名詞に不定冠詞"a"はつかない。複数形にはならない。
形や区切りがなく、ひとつ、ふたつとそのものを数えることができない不可算名詞は、以下のいずれかのような使い方をします。
不可算名詞と冠詞の関係
- 冠詞aをつけない
- 意味的な区切りや単位をつけたい場合、”a cup of”, ”a piece of”などの一定の単位や区切りをつける表現を付加する
- 冠詞theをつける
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不定冠詞"a"に関するルール
名詞は可算名詞(数えられる)/不可算名詞(数えられない)に分かれます。
不定冠詞”a”は可算名詞とだけ使えます。
可算名詞に対し、特に対象を限定する意識がない場合に冠詞aを使います。
例文
This is a pen.(これはペンです)
昔の英語の教科書に出ていたこの英文を例に説明すると、この例文を発言した話者にペンに対する特別な意識はありません。
どこにでもある数あるペンのひとつに過ぎないという感覚のため冠詞aが使われています。(限定しない・不特定)
一方で、
This is the pen.(これはペンです)
の英文には、なんらかの理由や経緯で対象のペンを特定、限定する意識が話者にあります。
行方がわからなくなっていた1週間前に買ったペンが見つかったときに、思わずこう言ったのかもしれません。
This is the pen (which I bought a week ago).と関係代名詞以下の省略と捉えたら分かりやすいですね。
theのポイントの詳細は以下にて。
定冠詞"the"に関するルール
定冠詞”the”は可算名詞にも不可算名詞にも使えます。
定冠詞theのルールは3つです。
3つのルールに共通することは、”意味の限定”です。
- 会話のなかで状況や文脈から限定されるもの
- 会話のなかで唯一のもの
- 総称的なグループ
ルール①:会話のなかで状況や文脈から限定されるもの
theは意味の範囲を限定するイメージです。
3つのルールに分けて説明します。
ココがポイント③
『theがつく対象』
- 状況から意味や示すものが限定される
- 当事者間で対象物に共通認識をもてる
- 前に言及されたもの
1日前
PCを購入したことが初めて会話に出ました。この時点では、どのPCかを特定できるものではないため、冠詞は"a"です。
買ったことを伝えたPCのことを指しておりどのPCかが特定されるため”the”がつきます。
当日の会話(太郎がPCを持っているシーンを見て)
Markは前日に聞いたPCの事を言っているので、特定されるときに使う”the”がつきます。
ルール②:会話のなかで唯一のもの
「彼がこの中で一番若いです」などの例文で原級、比較級、最上級を英語の授業でならったのを覚えていますか?
"He is the youngest among us.
最上級には、the + 形容詞の語尾にestをつけると習いましたね。
このように、会話の状況のなかで唯一のものを表すときには"the"を使います。
ココがポイント④
会話の中で唯一のもの、No.1のものなどに"the"をつける
もうひとつ例を挙げます。
異なる会社から何名かが初対面で集まる異業種交流会があったとします。
XYZカンパニーからは1名だけが参加しています。
異業種交流会の主催者もそのことをあらかじめ分かっています。
XYXカンパニーからの参加者を会場で確認したいような場合、以下のように”the”を使います。
主催者:Who is the attendee from XYZ company ? Please raise your hand ? (XYZ会社からの参加者はどなたですか?手を挙げていただけますか?)
これは、XYZカンパニーからの参加者が1名とあらかじめ分かっているためです。
ルール③:総称的なグループ
総称的なグループのことを言いたい場合、theが使えます。
ココがポイント⑤
総称的なグループにtheをつける
たとえば、以下のような使い方です。
文意:PCは不要である。スマホが代わりに使えるから。
The PC is not necessary any more. We can use the smart phone instead.
ある特定の種類全般のことを言いたい場合、「The + 名詞」の形が使えます。
総称的なグループを指して意見を述べたい場合は、可算名詞を複数形にした言い方が一般的でソフトな感じがあります。
PCs are not necessary any more. We can use smart phones instead.
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あとがき:冠詞のチェックにGmailを活用しよう
冒頭に紹介したGmailで冠詞をつけると以下のように青い波線が消えました。
1文目の"May I borrow pen ?"は可算名詞に冠詞がなかったことが原因です。
2文目の"Where can I get a water ?"は不可算名詞に不定冠詞"a"をつけたことが原因です。
定冠詞theの3つ目の総称的なグループのところは、一見限定していないように感じるかもしれませんが、さまざまな総称グループの中で、"あるひとつの総称グループ"の意味で限定しています。
上の例文ですと、「PC」、「スマホ」、「タブレット」、「ガラケー」など、ネット接続する機器の総称グループには複数のものがあります。
他の総称グループと比較して”PC総称”と限定しているのです。
冠詞のルールを頭に入れて、英語のインプットをどんどん増やして英語の感覚が身についてくると冠詞はマスターできます。