英語に触れていると、すぐに呑み込めない不可算名詞に直面することがあります。
論理的かつ例外なく、『形や区切りの有無、ひとつふたつと数えられるかどうか』の観点ですべての英単語が可算名詞と不可算名詞に分かれているわけではないからです。
equipment(装置)やfurniture(家具)がその代表ですよね。
そこで、equipmentとfurnitureについて調べた内容と不可算名詞の定義やポイントをまとめました。
-
【取りこぼし厳禁】TOEIC Part5よく出る文法問題30パターンまとめ
TOEIC Part5の30問は、大きく2つに分類できます。 語彙力を問う問題 文法知識を問う問題 語彙力を問う問題は、意味が異なり難解な英単語・熟語の選択肢が4つ並んでい ...
続きを見る
equipmentはなぜ不可算名詞なのか
設備、装置、器具などを意味する英単語"equipment"。
ひとつひとつの装置や器具には、形もあり1台、2台、3台と数えられます。
また、"device"というほぼ同じ意味の類義語は数えられる可算名詞です。
Longman英英辞典では以下のように2つの英単語の意味が定義されています。
equipment: the special tools, machines etc. that you need for a particular activity or type of work (特定の活動や仕事に必要となる特別な道具や機械)
device: a machine or small object that does a special job (特別な仕事をする機械や小さな物)
辞書の定義だけをみても、equipmentに不可算名詞の一般的な3つの特徴が読み取れません。
不可算名詞の3つの特徴
- 形がない
- 区切りがない
- ひとつ、ふたつと数えられない
そこで、equipmentの語源を調べてみました。
equipment:The act of equipping, or the state of being equipped, as for a voyage or expedition.. Whatever is used in equipping something or someone, for example things needed for an expedition or voyage.
(出典:etymologeek.com )
equipmentは、18世紀にフランス語から入ってきた言葉で、遠征や戦争にむけて「装備すること」、「装備された状態」が本来の意味と説明されています。
もともとは、具体的な装置ひとつひとつを示す言葉ではなかったのです。
この語源説明を理解すると、不可算名詞である理由が分かりやすくなったと思います。
私たちがイメージする現代の多種多様な装置や機器は、equipmentという単語が誕生したころには存在しなかったものです。
つまり、equipmentの本来の意味は「装備すること・装備された状態」であり、ひとつひとつの装置を示すものではありませんでした。
また、Longman英英辞典のequipmentの定義をよく見てみると、"the special tools, machines"と複数形になってますよね。
ひとつふたつと数えられるtoolやmachineが集まった集合を表していることも読み取れます。
まとめると、equipmentが複数形にはならない不可算名詞である理由は、以下のように捉えればよいと思います。
equipment
equipmentは、本来の意味「装備された状態」から転じて、現代英語ではひとつひとつの装置や器具にも使われるようになった。
けれど、不可算名詞であることには変わりはない。
瞬間英作文 × オンライン英会話で学習効果が急騰!【飽きた・続かない・挫折対策】
-
【瞬間英作文は辛い・疲れる・つまらない】オンライン英会話の教材指定で変化しました。
※ 当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品やサービスをご紹介しています。 ベストセラー本『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』は学習が辛いし疲れるし続かないですよね。 単調な ...
続きを見る
furnitureはなぜ不可算名詞なのか
equipmentと同じ捉え方をしてみました。
日本語の感覚だと、家具は形も区切りもあってひとつふたつと数えられます。
けれど、英語の語源では、やはりそういう捉え方ではなかったようです。
調べてみると、furnitureは「部屋を装飾したり機能を向上させたりするために導入する動産物」という集合的な意味が起源でした。
そして、ひとつひとつの具体的な家具にはdesk, chair, bed, tableなどの個別の名前がつけられたと捉えれば良さそうです
Longman英英辞典の定義
furniture: large objects that you have in your house or office, such as chairs, tables, beds and cupboards.
furnitureの語源
(Noun) (firearms) The stock and forearm of a weapon.. (now usually, _, uncountable) Large movable item(s), usually in a room, which enhance(s) the room's characteristics, functionally or decoratively.. [...](firearms) The stock and forearm of a weapon.. (now usually, _, uncountable) Large movable item(s), usually in a room, which enhance(s) the room's characteristics, functionally or decoratively.. [...]
(出典:etymologeek.com )
informationはなぜ不可算名詞なのか
次にinformation(情報)です。
「information」が不可算名詞である理由は、数えられない抽象的な概念を表しているからと言われています。
つまり、それが物質的なものではなく、単一の物体や個体でもなく、量的な区別ができないものであるため、不可算名詞として扱われます。
「information」の語源は、ラテン語の「informatio」から来ています。
それは「形作ること」「形作られたもの」「外観」という意味でした。
その後、「知識の提供」という意味に変化し、現代英語では、データ、事実、知識などを指す抽象的な概念として広く使われるようになりました。
例えば、次のように使用されます。
例文
- "I need more information before I can make a decision."(決定を下す前にもっと情報が必要です。)
- "Information travels faster than ever in today's digital age."(今日のデジタル時代において、情報はこれまで以上に速く伝わる。)
「information」は、数えられない抽象的な概念を表すので、不可算名詞として扱われます。
不可算名詞とは
ここから不可算名詞の説明です。
関連して迷いがちなポイントについても確認しましょう。
-
【イメージ図】each、every、allは単数?複数?不可算名詞と使える?
each, every, allの単数・複数が分からなくなることがときどきありませんか? この3つの単語は、単数と複数の扱いを間違いやすいですよね。 ちゃんとマスターしておかなくても意味 ...
続きを見る
-
【5分で分かる】冠詞a/theの使い方と可算/不可算名詞との関係
Gmailで"May I borrow pen ?"、"Where can I get a water ?"とタイプすると以下のように青い波線が入ります。 これは、 文法的に誤っている可 ...
続きを見る
不可算名詞の定義
英語の参考書で不可算名詞は以下のように解説されていますよね。
英語の名詞は可算名詞(Countable)と不可算名詞(Uncountable)に分かれる。
不可算名詞の特徴
- 形がない
- 区切りがない
- ひとつ、ふたつ、みっつと数えられない
不可算名詞は、総称、経験、物質、集合、量、価値などを表すもの。
単独の不可算名詞は単数扱い
複数形にはならないので、単独の場合はbe動詞もisやwasを使い、areやwereとは使いません。(不可算名詞がandでつながった場合は複数扱いのbe動詞:次項参照)
不可算名詞が主語の場合、be動詞は現在形は"is"、 過去形は"was"、現在完了形は"has"で受ける
例文
〇 That information has been updated.
× That information have been updated.
andでつながる2つ以上の不可算名詞は複数扱い
Water and ice ( ) free and placed on the table.
(水とアイスは無料でテーブルの上にあります)
2つの不可算名詞がandでつながれた主語を受けるbe動詞はareやwereです。
Water and ice are free and placed on the table.
waterもiceも不可算名詞でそれぞれitで受けられますよね。
it + it = 2it = they
となって複数扱いとイメージしましょう。
不可算なのでa, one, two, threeなどの数字で修飾できない
たとえば、newsという名詞。
"I have a good news."としてしまいがちですが、冠詞は不要です。
例文
〇 I have good news.
× I have a good news.
不可算名詞は冠詞がなくても使える
可算名詞は冠詞など限定詞をつける必要がありますが、不可算名詞はなくてもOKです。
例:I need water.
※名刺には可算名詞と不可算名詞の両方で使えるものもあります。
例
可算名詞 A hair is floating on my soup.
不可算名詞 You have short hair.
不可算名詞の量を修飾する語句に注意する
不可算名詞の量の修飾には、以下のような形容詞(句)や限定詞を使います。
- much ×
many - little ×
few - a little ×
a few - quite a little ×
quite a few - a piece of
- some/any
- a lot of
a lot ofは可算名詞でも不可算名詞でも使えます。
可算名詞/不可算名詞の確認方法
- 可算名詞
- 不可算名詞
- 両方で使える
の3パターンがありますよね。
英和辞典の場合
オーレックス英和辞典を例にすると、”数えられない”の意味の"Uncountable"の頭文字『U』と表記されている。
英英辞典の場合
Longman英英辞典を例にすると、[uncountable]と英単語の下に表記されている。
【よく出る!】不可算名詞一覧
不可算名詞としてのみ使える頻出英単語をリストアップしてみました。
例えば、water, rain, snowなどは理解しやすいですよね。
「切っても切っても切れないものな~んだ?」
「水!」
子供の頃になぞなぞにもよく出てきましたし、数えられないイメージがわきやすいです。
他にも以下のリストの英単語は”基本的に不可算名詞”です。
多くが”概念”を表す英単語です。
よく出る不可算名詞
- accommodation - 収容
- advice - 助言
- air - 空気
- alcohol - アルコール
- baggage - 荷物
- bread - パン
- butter - バター
- cheese - チーズ
- clothing - 衣服
- coffee - コーヒー
- currency - 通貨
- darkness - 闇
- education - 教育
- electricity - 電気
- energy - エネルギー
- equipment - 道具
- food - 食べ物
- fun - 楽しみ
- furniture - 家具
- gold - 金
- harm - 害
- homework - 宿題
- information - 情報
- knowledge - 知識
- love - 愛
- luck - 運
- luggage - 荷物
- money - お金
- music - 音楽
- news - ニュース
- paper - 紙
- permission - 許し
- pollution - 汚染
- power - 力
- progress - 進歩
- rain - 雨
- rubbish - ゴミ
- research - 調査
- salt - 塩
- sand - 砂
- thunder - 雷
- time - 時間
- traffic - 交通
- travel - 旅行
- water - 水
- weather - 天気
- work - 仕事
まとめ:不可算名詞のモヤっに囚われない
こうしてみると、今の世界と語源に"ズレ"を感じる英単語は、数えらえる/数えられないの理解が難しいですね。
きっと、Nativeにも”モヤっと”したまま使っている人は多いのではないでしょうか。
たとえば、キャベツ(cabbage)は可算名詞と捉える国もあれば、不可算名詞と捉える国もあるようです。
数えられると感じる不可算名詞に出会ったら、
こうすることで、モヤっとが少し解消され間違いを防ぎやすくなります。
不可算名詞の注意点
- 不可算名詞は単数扱い。複数形の"s"をつけない
- 不可算名詞の前に冠詞の"a"をつけない
- 不可算名詞は1つの場合単数形の動詞で受ける
- 不可算名詞は2つ以上andでつながると複数形の動詞で受ける
- 不可算名詞の数え方の修飾語に注意する(例:○much ×
many)
英語学習ブログの人気サイト