had betterの使い方は要注意です。
英語学習参考書をチェックすると「"had better"は目下の人にだけ使えます。通常はmust, have to, shouldを使いましょう。」とだけ書いてありました。
いやいやいや、これでは誤解を与えるでしょ。( ゚д゚)
「目下にはhad better、目上にはshouldでいい」と素直な高校生はインプットしてしまいます。
”年下や目下であれ、通常の助言にはhad betterは使わないほうがいい”とまで書かないと。
had betterの危険性と代わりに使える忠告表現をまとめました。
緊急的・警告的なアドバイスに"had better"を使う
「haveの過去形・過去分詞のhadが使われているのに、なぜ未来のことを伝える英語なの?」と思ってしまいますが、had betterは仮定法的に使われる熟語です。
hadは助動詞の役割で仮定法には現在との心理的な”距離感”がありますよね。
「アドバイスをきかないと大変なことになるよ」
「ホントにそんなことするつもり?バカじゃない。やめたほうがいい。」
「とにかく至急それをしないまずいよ」
例文
嫌いな部下の動きを直したいとき
You had better ask me to check the document.
(私にドキュメントをチェックさせないとひどいことになるわよ・・・)
若干の”あきれ”、”警告”、”上から目線”のかんじですね。
まさにPlayボタンで聞こえる機械音のような英語のトーンで言われてしまうようなときですかね。
had betterが相手から連発されると、「マウントとってくるな」「この人は自分にあきれているかも」と思っていいかもしれません。
嫌いな有名人の過ちを責めたいとき
She had better tell the truth honestly.
(彼女は正直に真実を話せばいいのに、、、なんで話さないの?ひどい奴だ。どうにでもなれ)
had betterを使うと、
- 警告
- 強い心配
- あきれ
- 見下し
- 上から目線
- マウントをとる
そんな結果になってしまうこともあるので、仕事や大切な相手に対して安易に使うのは意識して避けましょう。
参考
Had better is a strong expression. We use it if we think there will be negative results if someone does not do what is desired or suggested:
had betterの後ろは動詞の原形
had betterの後ろは動詞の原形がきます。
to 不定詞ではないので、"You had better to study English." は誤りです。
否定形はhad better not.
否定形はnotの位置に注意です。最後にきます。
"You had not better it."とか変な英語にならないように気をつけましょう。
A:
I will cheat on the sales result.
(売上の結果をごまかそうと思います)
B:
You had better not.
(やめとけよ)
不正なんてやめとけ!!!
ウソだろ・・・
何がおきるかわからないよ!
相手にきつめに「なんでそんなことしようとするの?オーマイゴッド!」とあきれて忠告する感じです。
疑問文はhad I better~?
疑問文は主語とhadの位置を入れ替えます。
A:
Had I better cheat on the sales result?
(売上の結果をごまかしたほうがいいですか?)
B:
You had better not.
(やめとけよ)
省略形はYou'd better (not)
had betterの省略形はアポストロフィとdです。
A:
I will cheat on the sales result.
(売上の結果をごまかそうと思います)
B:
You'd better not.
(やめとけよ)
会話ではhadが省略されることもあります。
You better not.
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had betterとhave betterの違い
have betterのhaveは「持っている」の意味の一般動詞です。
このため、I have better things.は「もっといいのがあるよ」「もっといいのを持っているよ」の意味となり S + V + Oの第3文型ですね。
haveをhadにしても意味が「もっといいのを持っていた」と過去形になるだけです。
熟語でhadが助動詞のhad betterとは似て非なるものです。
A:
These are the emergency kits I can offer now.
(今ある防災グッズです)
B:
I have better things.
(もっといいのがあるよ)
忠告やアドバイスに使える”まともな”英語表現
感情をおさえて相手のために忠告やアドバイスをしたいときは、気持ちの程度感に応じて以下のような英語表現を使いましょう。
同じ例文でニュアンスの違いを比較します。
ただし、この例文のシーンは、営業担当者が売上をごまかそうとする、というような普通あり得ないシーンです。
やると大変なことになるしネガティブな結果となる可能性が高いので、本来はhad betterを使って思いとどまるよう強く警告してもいいシチュエーションです。
そこをあえて丁寧に伝える場合、どんな英語表現が使えるかを紹介します。
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must(義務・必要)
mustは感情を込めて義務・必要であることを強めに伝えるときに使います。
A: I will cheat on the sales result.
B: You must not.
have to(客観的)
「する必要はない」と客観的に伝えたいときに使います。
A: I will cheat on the sales result.
B: You don't have to.
should(義務・忠告)
mustより若干弱めに義務・必要であることを伝えたいときに使います。
had betterと比べるとshouldには見下すようなネガティブなニュアンスは少ないです。
A: I will cheat on the sales result.
B: You should not.
might (may) as well(丁寧)
非常に丁寧に忠告するときに使います。
A: I will cheat on the sales result.
B: You might as well not do it.
mightは仮定法の形です。
”距離感”を用いて"may as well"よりさらに丁寧さを出しています。
might as well も否定のnotは一番後ろにつけます。
recommend(中立的・客観的)
中立的・客観的にアドバイスするときに使います。
A: I will cheat on the sales result.
B: I recommend not to do it.
肯定文はrecommend toと不定詞になるので、否定文はnotはrecommendの後ろ(toの前)になりますね。
It would be advisable (めちゃ丁寧)
相手に失礼のないよう細心の注意を払って伝えたいときに使います。
後ろは不定詞で続けます。
A: I will cheat on the sales result.
B: It would be advisable not to do it.
rather than, would rather(ソフト・丁寧に主張)
ソフトかつ丁寧に主張する感じでアドバイスするときに使えます。
A: I will cheat on the sales result.
B: Rather than doing such a stupid things, let's do our best next quarter.
A: I will cheat on the sales result.
B: You would rather not. Let's do our best next quarter.
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あとがき:ビジネスやフォーマルではhad betterは避けるが無難
had better (not)の意味や危ないニュアンスをまとめました。
ビジネスやフォーマルな場面での多用は避けましょう。
普通の助言やアドバイスには”基本的に使わない”としておくのが良さそうです。
\助動詞の使い分けを解説/